とても面白く、展開が気になって、手に入れてすぐ一気読みしました。ヒーロー、ヒロインともに過去に起因する問題を抱えており、それが二人の恋と未来への障害となっています。それをどう克服するかが大きなポイントとなっていますが、読ませる物語展開でした。ともに上流階級出身で、叩き込まれた階級規範ともいうべき社会通念に囚われているために苦しむ二人ですが、葛藤の末にそこから抜け出して『愛』にたどり着くヒーローと、どこまでも率直で正直なヒロインが魅力的な物語です。

登場人物が多くてとてもにぎやかな物語です!　ヒロインは過去の過ちのせいで悲惨な境遇にいるのですが、魅力あふれる脇役たち(ほとんどが女性!)と、読んでいてわくわくするような田園の大邸宅という舞台設定のおかげで、不思議なほど明るい雰囲気が漂っています。ヒロインのときめきを一緒に味わいながら、本当に幸せになるために大切なことを改めて胸に置くことができました。

ヒロインがとってもいい子なのに・・・。ちょっとした過ちさえも許されない時代だから仕方ないこととはいえ、ヒロインの両親にはがっかり。ヒーローとヒロインはお互いに惹かれあっているのにそれぞれの事情で素直になれなくて。ヒーローの家族がステキで、ヒーローが素直になれるように画策してくれる人物もいたりするので救われるところもあるから安心して下さい♪

ヒーロー以外の人物が、ヒロインに対してとても冷たいので、イライラしてきます。ですが、だからこそ、ヒーローの心の広さや優しさ、ヒロインに対しての愛の大きさを感じることができました。とにかくヒーローが格好いいです。ヒーローにひやっとさせられるシーンもありますが、イケメンヒーローを思い浮かべながら、最後の最後まで楽しめました!!

ヒロインとヒーローを離れさせようとする人々と、縁結びをしようとする人々、脇役達も絡み合ってこの愛の行方はどうなるかと楽しめます。特にヒーローとヒーローの妹や友人のやり取りは面白い!　彼女達の活躍も読みどころです。私のお気に入りはヒロインの罪のために一度は身を引くヒーローが、自分の本心に気づかされ、ヒロインを愛しているという思いを伝えている言葉。その言葉が予想以上に素敵でかっこ良く、胸にズキュ～ンときました!　豪邸の描写とかも素晴らしく、さらにハーレクインのヒストリカルな世界が広がる一冊でした。