mirabooks
高貴な血筋と富、そして麗しい顔立ちを生まれ持ったアルヴァストーク侯爵は尊大で皮肉屋なことで知られている。最近も強欲な姉に、冴えない姪を社交界に披露する舞踏会を開くようにせがまれ、断ったところだ。何もかもに退屈していたとき、遠縁の“親戚”を名乗る客が訪れた。その若い女性──質素な身なりだが洗練された立ち居振る舞いのフレデリカは、美貌の妹の社交界デビューに力を貸してほしい、と勇敢にも頼んできた。侯爵は、その信じられないほど美しい妹を見るや助けを申し出た。思い浮かんだ妙案にほくそえみながら。
-
- 頁数
- 528頁 / 文庫判
-
- 発行日
- 2015年07月15日
-
- 著者
- ジョージェット・ヘイヤー
-
- 訳者
- 佐野晶
-
- 定価
- 988円(税込)
-
- ポイント
- 0pt
-
- 発送
予定日 - 2015年07月03日(予定)
- 発送
-
- ISBN
- 978-4-596-91637-2
-
- 書籍番号
- MRB-637
-
モニター
ジョージェット・ヘイヤーの作品は、以前から気になってはいたのですが、読む機会がなく、今回初めて読ませていただきました。読み始めて、なんとなく懐かしい感じに……。そうだ、これはジェイン・オースティンの作品を読んだ時の感じに似ているっ! 19世紀、20世紀辺りのイングランドの社交界を舞台にしたロマンスに、なんとなく心魅かれる私としては、ドストライクでした。ヒロインのフレデリカやヒーローの侯爵が魅力的に描かれているのはもちろんですが、歴史的背景も読み取ることができ、さらに読み応えがある一作になっています。ジェイン・オースティン作品が好きな方、絶対ハマると思いますよ。
-
モニター
本が届いた時に「やったー!」とにやけるくらいヘイヤーの新刊を楽しみにしていました。期待に違わず最初からひきこまれ、クセのある登場人物たちのユーモアあふれる毒舌にニヤニヤしていました。ヒーローがヒロインたち姉弟と関わることで恋に落ち行動に変化が表れる様子が面白く、一気に読んでしまいました。もう一度今度はじっくり楽しみたいと思います。
-
モニター
待ってました! 『愛の陰影』『ひと芝居』と読んでファンになりました(『素晴らしきソフィー』が手元にあるのに、勿体無くてまだ未読です)。少々大袈裟な台詞まわしで、シェークスピア劇を見ているような……そんな今時ではないクラシカルな作風が大好きです。今回の作品もシニカルで他人を寄せ付けないようなヒーローと、飾らずストレートに物を言う潔いヒロイン。そんな二人の掛け合いが夫婦漫才のようで、なんとも微笑ましかったです。ヒロイン弟妹の引き起こすトラブルが重なって、物語を大いに盛り上げてくれます(でも、憎めない!)。本当は愛情いっぱいのヒーローに愛される、ヒロインは幸せ者ですね。推理小説でも才能を発揮しているジョージェット・ヘイヤーですが、やはり個人的にはロマンス小説の方が好きです。
-
モニター
ヒストリカル・ロマンスの祖ヘイヤー、大好きです。今回も傲慢ヒーローと、それに媚びない、家族第一の素敵なヒロインとのやり取りを楽しませてもらいました。些細な事柄の積み重ねで、ヒーローがヒロインの人柄にどんどん惹かれていく様が丁寧に描かれています。最後の最後まで恋を自覚しない天然ヒロイン。その家族が巻き起こす種々の事件に否応なく巻き込まれるヒーローが、人間らしくなっていく過程も魅力的でした。
-
モニター
主人公とフレデリカの心の交流に感動しました。とても心温まるお話です。これからの季節にぴったりな皆様にもぜひおススメしたい一冊です。
-
ベストロマンス大賞2015年下半期TOP10
倦怠している貴族であるヒーローが、本気になって行く様がツボにはまる作品。キャラクターも背景もいきいきしていて、物語の世界にひたれる作品だと思いました。(神奈川県・主婦・saku)
-
ベストロマンス大賞2015年下半期TOP10
“ロマンス作家が憧れる本格派作家ジョージェット・ヘイヤー”
待ちに待ったジョージェット・ヘイヤーの新作です。この作品を誰よりも早く読みたくて、読書モニターに応募したほどです。細部にまでこだわった当時の様子を華麗に、そして登場人物達の暮らしぶりを生き生きと描いたこの作品はベストロマンス大賞に相応しい一冊だと思います。(京都府・ukochan) -
ベストロマンス大賞2015年下半期TOP10
“清楚で可憐、軽快さの中にシニカルを含む洗練されたロマンスの世界”
ロマンス小説といえばジョージェット・ヘイヤーといえるくらい。不思議の国のアリスのように、その世界にはまり込んでしまいます。緻密で軽快、そして洗練された文章に魅せられない人はいないでしょう。(滋賀県・主婦・megpon) -
ベストロマンス大賞2015年下半期TOP10
嫌な奴が恋に落ちることほど痛快な事はない!(東京都・専業主婦・Jackys)
-
ベストロマンス大賞2015年下半期TOP10
“ぶれない魅力。誠実なロマンス。”
もちろん! ベストロマンス賞にふさわしい作品だと思ったからです。ジョージェット・ヘイヤーらしい緻密ながら堅苦しくない描写が秀逸でした! -
ベストロマンス大賞2015年下半期TOP10
“ヒストリカルの名家”
ヒーロー、ヒロイン以外にも魅力的な人物満載で飽きることなく読めました。ストーリーもテンポ良く、侯爵の振り回されっぱなしなところが面白かったです。かなり古い作品らしいですが、良いものは読み継がれていくんだなと思いました。(静岡県・主婦・tama) -
ベストロマンス大賞2015年下半期TOP10
“リージェンシーの女王”
ヘイヤーの作品の魅力は相反するものが見事に同居しているところ。古めかしいと思いきや、読み始めるとその新しさに魅了されてしまいます。正確な歴史知識に裏打ちされ、登場人物はその時代に典型的な古めかしい人物かと思うと、みんなどこか一風変わっていて、思わずくすくす笑い。悪趣味なドタバタになりそうなのに、とてもお洒落。侯爵はヒロインに冷たいかと思うといつの間にかメロメロ。いつのまにかヘイヤーの世界にはまってしまう私(笑)。晩年の作品なのに、ピチピチした作者の心が感じられます。読み返すといつも何か新鮮で、とても楽しいのです。 -
ベストロマンス大賞2015年下半期TOP10
“高慢と偏見が好きな方は必読!”
ホットなシーンがなくても十分ロマンスが堪能できます。この作者の作品は、いつも魅力的な登場人物が出てきます。今回は何といってもトラブルメーカーだけど憎めない末の弟! コミック化希望!(埼玉県・パート・hal) -
ベストロマンス大賞2015年下半期TOP10
“古き良き時代の伝播者”
彼女の作品は読んだのはどれも好きだったけど、前時代の本当のヒストリカルな文体や表現があるため、話に入りずらかったり読みづらいところもあるような気がする。でもこの作品は今まで読んだ中では一番読みやすく中身も充実していて面白かった。やはり別格だと思います。(紺碧) -
ベストロマンス大賞2015年下半期TOP10
ジョージェット・ヘイヤーの作品は何を読んでも面白いです。かなり前の作家さんですが、今でも古い感じがせずすごく気に入っています。翻訳の方も言葉遣い等難しいところもあるでしょうけれど読者が違和感なくさっくり読めるのは相当に翻訳家の技量のたまものだと思います。
-
ベストロマンス大賞2015年下半期TOP10
“王朝に咲く純愛ロマンスの名手!”
一見冷たいヒーローが他人にはヒロインへの想いを隠しているだけに、たまに見せる愛情表現がたまらないです。こういう人いる! と言いたくなるような脇役達に、へイヤーの人間観察力が生きています。(水樹) -
ベストロマンス大賞2015年下半期TOP10
“正統派ヒストリカルなら間違いなし!”
人生を持て余しているヒーローがフレデリカに惹かれてゆき、その家族の人生に巻き込まれる様子が面白かったです。会話と魅力的な人たちが起こすさまざまな事件に(とくに犬!)笑いながら一気に読んでしまいました。フレデリカは最後まで好きになったことに気付かないなんて! そんなところが天然で可愛いかったです。昔の作品はエピローグがなくて残念ですね。古典的な物語は読んだことがなくて好評価のレビューを見て読みたくなりました。私的に「今年のベストワン」作品です。それほどお気に入りです!(神奈川県・主婦・ミドリ) -
ベストロマンス大賞2015年下半期TOP10
絶対コレ!! これ以外考えられない。これを読まずしてハーレクインを読んだとは言えないわ。(福岡県・アン)
-
ベストロマンス大賞2015年下半期TOP10
“いつの時代でも色あせない不世出の作家”
ヘイヤーの大ファン! 国内発売の全作品所有していますが、この作品もウイットに富んでいて、3回読み返しました。ヒーロー、ヒロインの周りのわがままな家族たちがよく描けていて可笑しいし、うぬぼれ屋のヒーローがなかなか告白出来ず右往左往するのが楽しい。そして私の大好きなヒロイン像…しっかり者で頭が良く、心が美しく前向きでチャーミングなフレデリカが大好きです。(宮城県・専業主婦・アサクラヨシコ) -
ベストロマンス大賞2015年下半期TOP10
“ユーモアあふれる作家のお手本”
無条件に作家買いで期待に裏切られないユーモア満載の1冊でした。ヒロインによってヒーローの変貌していく姿が良かったです。(福島県・主婦・SUN) -
ベストロマンス大賞2015年下半期TOP10
“ヒストリカルの名手。卓越した人物描写、魅力あふれる登場人物が繰り広げるロマンス小説が魅力”
妹のために、弟のために奔走するフレデリカは自身の幸せより家族のことを優先するすばらしいレディです。自分の姉妹と比べ、無償の愛をもつフレデリカに惹かれていくアルヴァストーク侯爵。フレデリカに気持ちを伝えるタイミングをつかみそこねているのですが、その気持ちがどこか優しく、生き生きした印象を受けます。フレデリカとふたり、降りかかる難問をくぐりぬけ、弟や妹の幸せの道筋をたてたフレデリカへの想いを告げるのは、やっと!という感じです。途中、なんどかロマンティックな雰囲気になるのですが、自分の恋に気づかないフレデリカ。そこで、納得したのがタイトル。ロマンスたっぷり。(神奈川県・主婦・aiai)
1902年英国生まれ。74年に死去するまでに約60作の著作を発表。綿密な時代考証に基づき、リージェンシーをはじめ英国の歴史を舞台にした恋愛小説を多数著した。ロマンス小説家のほとんどが彼女の作品を愛読し、強い影響を受けたと語り、現代のヒストリカル・ロマンスの原型となった。機知に富んだ会話、個性豊かな人物造形は出色で、今でも世界中のファンの熱は冷めることがない。