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10年前に愛する母親から引き離されたヘレナは、暴力をふるう父のもと軟禁され続けるという不幸な少女時代を送った。その父が亡くなり晴れて自由の身になれたのも束の間、母はすでに他界していたことを知る。ようやく一緒に暮らせると思ったのに──悲しみの中ヘレナは母の遺言で、ロンドンに住む母のいとこレディ・ダーネルのもとに身を寄せることになった。だが引き合わされたダーネル家の家長アダムを見て、彼女は唇を震わせた。野暮ったい恰好のヘレナを心底ばかにするような表情が、世にもハンサムな顔に浮かんでいたのだ。
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- 頁数
- 480頁 / 文庫判
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- 発行日
- 2015年06月15日
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- 著者
- ジュリア・ジャスティス
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- 訳者
- 江田さだえ
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- 定価
- 906円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- 発送
予定日 - 2015年06月04日(予定)
- 発送
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- ISBN
- 978-4-596-91635-8
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- 書籍番号
- MRB-635 (初版HS-356)
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子供の頃に母親と引き離され、父親から虐待を受けて育った娘ヘレナと、父親から引き継いだ領地の財政問題に苦心するアダムの二人を中心とした物語です。妹や友人、メイドなど他にも色々な小さい話があって最後まで楽しめます。アダムには婚約者がいるため、二人が惹かれあいながらも二人の関係の進展が少しもどかしくもありましたが、そのほかにも明らかになっていく真実に、最後まで一気に読んでしまいました。
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モニター
不幸な育ちのヒロイン。でも、苦難から逃れられなかったのは彼女が子どもだったから。二十歳になり、不幸の足枷がはずれてからのヒロインは莫大な財産を得、思うがままに生き始めます。縁あって、彼女を見守るヒーローは良識的ではあっても常識人なので心を乱されてばかりですが、最後には輝くばかりの結末が待っています。ヒストリカルではあっても文体も内容も読みやすく、歴史ものデビューの方にもお薦めの1冊です。
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モニター
ヒストリカルを読むのは初めてで抵抗がありましたがすんなり読める本でした。父から虐待をされていた女性が新しい暮らしで女性を開花させ、そしてまだ男性社会だった時代にもかかわらず自分らしく生きる姿は読んでいて励まされました。今の時代に生きる私たち女性はこの時代で暮らしていけるのかと考えさせられる内容でした。
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モニター
このお話のヒロインはかなり特殊な境遇で育った女性で、けれどけなげで、心優しいところは失っていなくて。これから幸せになって欲しいと、はらはらやきもきしながら読んでいました。ヒーローは、まじめで誠実で、でもやはり男性だから、少しばかり鈍感で、手遅れになる前に気付いて間違いを正してくれる様、祈りながら読みました。最後には、ヒーローがきっぱりキメてくれました。
1996年『意外な求婚者』がロマンス作家協会ゴールデン・ハート賞を受賞、その原稿を北米ハーレクイン社が買い取り、99年にデビューを果たす。現在はテキサス州に在住。