上巻が暗ならば下巻は明。本当の愛と幸せを探して4人の女性の話は続きます。4つの話が交錯する難しい展開を上手に構成されている作者にはとにかく脱帽です。特にエピローグは「この場面を描くためにこれまでの流れはあったんだ!!」と感動しました。いつも読んでいるハーレクインのヒーローの傲慢や激しさはありませんが、静かに試練を乗り越えていく再生の物語はとても読後感が晴れやかでお勧めです。

上巻は4人の女性の苦悩や恋愛事情でドキドキしましたが、下巻は読み終えた時にとっても心が温かくなりました。前向きにひたむきに生きる女性はなんてかっこいいんだろうと思いました。いろんな困難を乗り越えて本当に好きな人と一生を共にする事は幸せだなぁ、素敵だなぁと感じる物語でした。

人生の危機に直面しながら試練を乗り越えようとする四人の女性達!　それぞれの話が交互に切り替わりながら、それぞれが交錯していくストーリーの面白さに引き込まれていきます。エピローグでは四人が登場し、大切な絆が再生し守られているのがとても感動的に描かれています。ペニー・ジョーダンの作品は素晴らしいです。

登場人物のだれかの人生の一コマが、きっと読者の人生の一コマと重なるのではないでしょうか。愛は、手に入れても、手に入れられなくても、長い時間を過ごすうちに、見えていたものが見えなくなったり、見えていなかったものが見えてきたり。様々な角度から、違う姿に気がついていく登場人物たち。酸いも甘いも、苦みも知っている大人のためのラブストーリーズでした。

仕事を持っていてこれから結婚する人には刺激が強いかも? 結婚している人は・・・自分の人生と重なる部分を見つけるのでは。確実なことは何もない人生の壁、ぶつかるエゴ、伴侶の嫉妬、外からの誘惑、陥りがちな夫婦の危機が本当にリアルに描かれていました。怖くなるほど。でも最後まで読めば、伴侶と共に困難な人生に足を踏み出す勇気がもらえます。

下巻では四人の女性たちが選ぶ様々な選択肢。きっと誰かの決断に頷けると感じました。起こるべくして起こる心の通い合いの奇跡、じっくり楽しんでいただきたいです。