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結婚になど微塵も興味のない公爵シルヴェスター。そんな彼もついに公爵家継承のため妻を娶る決心をする。花嫁候補令嬢のリストをつくり、母親にその中から選んでもらえばいいと安易に考えていたのだが、母は愛を信じようとしない息子に驚き呆れ、意外な令嬢を推薦してきた。亡き親友の娘フィービだ。彼はフィービと面会するため出向くが、彼女が求婚を拒絶して行方をくらましたと聞いて、怒りと同時になぜか好奇心を抱く。容姿より知性がまさっていると噂に聞く令嬢フィービには、何かとんでもない企てでもあるのだろうか……?
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- 頁数
- 512頁 / 文庫判
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- 発行日
- 2013年07月15日
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- 著者
- ジョージェット・ヘイヤー
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- 訳者
- 後藤美香
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- 定価
- 985円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- 発送
予定日 - 2013年07月04日(予定)
- 発送
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- ISBN
- 978-4-596-91551-1
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- 書籍番号
- MRB-551
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モニター
お互いに反感を持ちながらも惹かれあう二人ですが、歩み寄ったと思えば誤解からすれ違い、最後までどうなる事かとハラハラしました。公爵の傲慢さがヒロインの辛口な口撃で散々に踏みつけられる様は少々気の毒に思える事もありましたが、相変わらず個性的なキャラクター達が揃っていて、クスッと笑える楽しい一冊でした。私のお気に入りは公爵のDNAを完全に受け継いでいる甥っ子エドマンドです。
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モニター
『愛の陰影』を読んで以来ファンになりました。他の作品も魅力的で面白いです。今回の作品もその時代が目に浮かぶような風景描写、特に人物描写が優れています。傲慢さが鼻につくようなヒーローでも嫌いになれない独特のキャラクターたち。ヒロインと親しくなりユーモアを共有したのもつかの間、騒動が起こりどう収拾がつくのか全く予想できず、この展開で2人はくっつくの?と最後まで心配させられました。次回作も楽しみです!
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モニター
ジョージェット・ヘイヤーの作品を読んだのは『愛の陰影』、『悪魔公爵の子』に続いて3作目。この作者の作品は、綿密に練られた人間関係が魅力です。今回も読み応えたっぷりで、特にちょっとタカビーなヒーロー、シルヴェスターがいい味を出しています。脇を固めるヒロインの幼馴染も大好きです。個人的にはこの幼馴染の別のお話もあれば読んでみたいと思うほどの魅力的な登場人物でした。
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モニター
最初はチョットとっつきにくいと感じた高慢な公爵様。でも無遠慮だったり退屈だったりする人たちのおかげで、だんだん高慢のカラが剥がれ落ちて行く過程が面白い。お気に入りのシーンはフィービが逃げた理由をトムに教えられ、自尊心を大いに傷つけられた公爵が、密かに復讐を誓うところ。脇役たちも個性豊かで魅力的。フォザビーの肖像画があったら、ぜひ見てみたいものだ。
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clip
シルヴェスターの嫁探しが物語の基本ですが、母親に相談したときから物事が自分の意志に反してすべて真逆の方向に行ってしまうので、彼のいらだちもわかります。ただ、皆に思われているほど傲慢で冷淡な人ではないので、フィービに関わってやっかいごとに首を突っ込んでしまうのを、自分でもどうして良いのかわからなくなってしまうところなど、彼の混乱ぶりがおもしろいです。最後はちょっと唐突??
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モニター
この作品、忘れられそうにないヒーローの言葉があります。ヒロインを「雀ちゃん」と愛称をつけたこと(笑)、ヘイヤーの「マシューズ家の毒」でヒロインがヒーローに言った、「すてきなヘビ男のランドール」と同じぐらい強烈。こういうウィットに富んだセリフが、ヘイヤーの作品を独特なものにしていますね。シルヴェスターと同じぐらい存在感のあった幼馴染のトムを筆頭に、個性的な脇役を配するヘイヤーの作品、もっともっと読みたいと改めて感じました。
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モニター
ヒロインの実直で物怖じしない性格は好感が持てるものの頑固すぎるところがちょっと苦手で、ヒーローのキャラもあまり好感が持てず残念です。却って脇役のヒロインの幼馴染、トムの方が若いのに良くできた人柄で魅力的でした。色々なアクシデントがありながらも穏やかに話が経過していき、内容的には面白かったと思います。登場人物のキャラがしっかりしていて容易に人物をイメージできたのが良かったと思います。
1902年英国生まれ。74年に死去するまでに約60作の著作を発表。綿密な時代考証に基づき、リージェンシーをはじめ英国の歴史を舞台にした恋愛小説を多数著した。ロマンス小説家のほとんどが彼女の作品を愛読し、強い影響を受けたと語り、現代のヒストリカル・ロマンスの原型となった。機知に富んだ会話、個性豊かな人物造形は出色で、今でも世界中のファンの熱は冷めることがない。