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侯爵であるおじの厚意で社交界デビューの機会を得たイザベラは、平穏な結婚を望んでいた。情熱がもたらす身の破滅は、母の過ちと惨めな生活から痛いほど学んでいる。イザベラは代わりに、魅惑的な死神と令嬢の恋物語を小説に描いて満足していた。そんなある夜、舞踏会でふいにざわめきが静まり、完璧な装いのブラック伯爵が登場した。初めて見る悪名高き伯爵は謎めいた魅力にあふれ、危険そのもの。妖しい死神のような漆黒の髪と青い瞳の伯爵にイザベラが目を奪われていると、彼は群衆を割り、まっすぐ彼女のもとに向かってきた。
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- 頁数
- 512頁 / 文庫判
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- 発行日
- 2013年01月15日
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- 訳者
- 立石ゆかり
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- 定価
- 985円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- 発送
予定日 - 2012年12月09日(予定)
- 発送
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- ISBN
- 978-4-596-91532-0
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- 書籍番号
- MRB-532
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モニター
謎めいて危険な雰囲気を持つヒーローと、美しく想像力豊かなヒロイン。彼女は母親の影響から、情熱には流されないようにと自分に言い聞かせていましたが、迷いのないヒーローの誘惑に葛藤しながらも負けていく様子は、まるで肉食動物に追い詰められた小動物のようでした。でもヒーローはとても深くヒロインを愛しているので、いやらしい感じはまったくせず、二人が愛を確かめ合うシーンはとても官能的であり、ロマンティックでもあり、ドキドキしました。次の作品では、誰が素敵な相手とめぐり合うのかわくわくします。また、フリーメイスンの宝を巡るスリリングな出来事も本書では始まったばかりなので、続きが楽しみです。
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モニター
物語の世界へ身体ごと堕ちていく感覚が味わえました。描写が非常に繊細なので、主人公の心と体の変化が自分自身にも起きるような錯覚をしました。穏やかな愛に満足している方でも、少し冒険してみたくなるような気分にさせられる物語です。
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モニター
単なるロマンスではなく、聖遺物を巡る闇の敵と守護者達の闘いも絡められ、頁を繰るごとにまるで自分が違う世界にどんどん足を踏み入れ、濃密な空気が匂うような気すらする生き生きとした文に夢中になりました。幸薄き生い立ちにより自制心の強いヒロイン、彼女に恋いこがれ、激しいアプローチや誘惑を仕掛けるミステリアスな魅力を持つヒーローに抗いながらも囚われていく……。彼の彼女への不変の恋慕は身体がしびれる程ステキです。
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モニター
中盤までストーリーが展開しなくて焦れましたが、こういうゴシック・ロマンスでは伏線を張りつつじわじわと進行するのも有りかもと思いました。しかし、死神、降霊会、フリーメイスン、とオカルト的な言葉が飛び交い、普通のヒストリカルと思って読み始めたのでけっこうびっくり。伯爵がとにかく押しまくってヒロインをものにするのですが、強引というよりは魅惑という言葉がぴったりです。独特の雰囲気のある作品だと思いました。
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モニター
この作品の面白いところはただ情熱的な恋愛を繰り広げるだけではなく、推理モノを読んでいるようなワクワク感も味わえる点。もちろん恋愛部分だけでも充分楽しめます。経験豊富でかゆいところに手が届きすぎるブラック卿。頑固なヒロインのせいで全然進展しませんが、これぞ恋愛の醍醐味。ブラックの完璧ぶりに何度も読み返し、ついには夢で見てしまうほど。ブラック中毒です! 未解決の謎もいくつかあり続きもあるそうなので、今から楽しみです。
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モニター
激しい情熱を秘めながらも母のように惨めになりたくないと普通の恋愛・結婚を望むイザベラと、謎めいた妖しい魅惑的なブラック伯爵。面白そう~と、期待して読み始めましたが、あんなに激しい小説を書いておきながら安定を求めるイザベラに共感もできず、ブラックも感情をストレートに出し過ぎ!と、まどろっこしいなぁと思ってしまい。。。 が!ブラックの素性とルーシーとのけんか、過去などが明らかになってくると、一気に波に乗ってしまい、ドキドキして読みました。個人的には、主役二人の恋の行方よりもルーシーが気になります。続きがあるそうなので、そちらもぜひ読みたいと思います。
多彩なジャンルを描き分ける、いま最も注目の作家。その作品世界はエロティック・ヒストリカルからパラノーマルまで多岐にわたり、匂いたつような官能性と、心に残る想像性で読者の心を魅了している。カナダのオンタリオ州在住。