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領主の父亡きあと、古城でひっそりと暮らすジリアンのもとにある日、サー・ベイアードと名乗る眉目秀麗な男が訪ねてきた。ベイアードは宮廷に仕えるジリアンの姉が彼の兄と結婚したことを知らせ、ひとり領地を守るジリアンの警護に来たと告げる。歓迎されるのが当然で、誰もが彼に従うべきだという態度に彼女はたちまち反感を抱いた。親戚の厚意を装っても騙されないわ。どうせここに来たのも、この豊かな土地を狙ってのことに違いない。彼に心を許すものですか――圧倒的な魅力に気づかぬふりをして、ジリアンは胸に固く誓った。
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- 頁数
- 400頁 / 文庫判
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- 発行日
- 2012年07月15日
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- 著者
- マーガレット・ムーア
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- 訳者
- 正岡桂子
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- 定価
- 901円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- 発送
予定日 - 2012年07月05日(予定)
- 発送
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- ISBN
- 978-4-596-91506-1
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- 書籍番号
- MRB-506
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モニター
イギリスの古城を舞台にした気の強いヒロインのロマンスです。会った瞬間から反発し合う二人が、少しずつ惹かれ合っていく過程が丁寧に描写されていて最後まで飽きさせません。13世紀イギリスの風習やしきたりが、この小説の重要な要素となっていますが、ヒロインが城主としての仕事を責任を持ってこなすところや、自分を見失わない強さなど、現代のワーキングウーマンにも共感できるところが多く、とても楽しんで読めました!
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モニター
13世紀のイングランドの様子からラブシーン(ちょっと、物足りないけれど)、それに戦いのシーンまで、いろいろと楽しめる作品です。二人の恋の結末は「なるほど!」という感じ。妹エリザベスのお話も読んでみたいと思わされました。
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モニター
横暴な父親の死後、立派に領地を切り盛りしていたヒロインが、当時の教会法の妨げでまさかの悲恋になるのか、それとも恋の成就のためにすべてを捨ててしまうのか。最後までやきもきさせられました。困難に立ち向かっていくヒロインが、清々しいです。
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モニター
『籠の中の貴婦人』のヒーローの異母弟とヒロインの妹の物語。この時代は教会法により、義理の兄妹というだけで血縁でなくても結婚できないのです。つまり「禁断の恋」の物語。また、ヒロインは三姉妹の次女なのですが、姉や妹に比べて美人ではないとコンプレックスをもっており、だから一生懸命、領地経営に専念しています。だからヒーローに惹かれても、恋に身を任せることができない。禁断の恋とヒロインの戸惑いが、じれったくも醍醐味に感じた物語でした。中世(13世紀)、騎士の時代の文化的な背景がよく描かれていたので、この時代に興味のある方はぜひ!
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モニター
暴君の父亡き後、領地の管理をしながら幸せに暮らしていたジリアンに忍び寄る陰謀。前作を読んでいなくても、十分楽しめました。警護に来たベイアードとは、当時の教会法では婚姻できない間柄。互いに気持ちを抑えながらも求め合ってしまう二人の様子から最後まで目が離せませんでした。
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モニター
歴史ロマンスにたっぷりひたれました。ちょうどオリンピックで話題のイギリスが舞台の作品(時代は違いますが)。気持ちのしっかりした魅力的なヒロインが、一人の男性に抵抗しながらも惹かれていく様子が丁寧に描かれ、すがすがしい読後感の作品です。
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モニター
強くまっすぐなジリアンが、許されぬ恋に身を焦がす様にハラハラして、あっという間に読み終えました。ベイアードのような男性が存在した時代を羨ましくも思います。
アイルランド系アメリカ人。幼いころから作家になることを夢見て育ち、第2子を出産後に執筆活動を開始。処女作を書きあげてから3年間は出版社に断られ続けるが、作家の登竜門ゴールデン・ハート賞を受賞し、ついに1983年に作家デビューを果たす。最初の挫折は貴重な経験だったと語り、処女作の原稿は今も大切に取ってあるという。