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没落したスコットランド貴族の令嬢ブランディは、祖母のレディ・アデラから驚くような話を聞かされた。法の定めにより、遠縁のイングランドの公爵イアンが、ここペンダーリー伯爵家の爵位と領地のすべてを引き継ぐことになったというのだ。顔さえ見たこともない異国の公爵……ただでさえ内気なブランディは思わず不安に身を震わせた。数日後、領地内を爆走する見慣れない馬車に、ブランディと妹は危うく轢かれかける。あろうことか、馬車から降り立った公爵イアンは貧しい身なりの二人を気遣うどころか、コインを投げて立ち去った。
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- 頁数
- 528頁 / 文庫判
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- 発行日
- 2012年02月15日
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- 著者
- キャサリン・コールター
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- 訳者
- 杉本ユミ
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- 定価
- 985円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- 発送
予定日 - 2012年02月10日(予定)
- 発送
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- ISBN
- 978-4-596-91489-7
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- 書籍番号
- MRB-489
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モニター
こんな長編を読んだのは初めてですが、ロマンスだけでなく、爵位をめぐる相続・領地争いや、厳しい祖母、妹との外見の違いから自分の体の成長を不恰好と思いこんでしまう事で悩む日々など、たくさんの作品が一つになったような物語でした。先が気になり急ぐものの、問題が一つ解決すると次の問題が持ち上がり、落ち着く暇もなく最後のページを迎えました。次はキャサリン・コールターのコンテンポラリーを是非読んでみたいです。
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モニター
コールターの初期の作品との事で楽しみにしていました。期待を裏切らない作品に出合えました。コールターのヒストリカルは設定や展開がかなりハードな作品も多く、それはそれで興味深いのですが、今作はどちらかというと「シャーブルックの花嫁」を連想させる一族物ですね。ヒーロー、ヒロイン共に誠実で真面目です。後半やや駆け足ですが、ヒストリカル好きの方にはおススメの1冊です。また、後のコールター作品の原型となるような脇役もたくさん登場します。そちらも併せて楽しめました。
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モニター
既刊の作品を代表する<シャーブルックの花嫁>を彷彿とさせる場面が随所にあり、とても楽しく読み進めることができました。本作家の作風の一つの傲慢なヒーローではなく、誠実で立派な主人公の設定も意外性があり素敵でした。事件のほうは、早い段階で犯人の見当がつきますが、それでも最後まで一気に読んでしまいました。幻の初期作品と謳われているだけあり、時代背景が重い感じもしましたが、他の作品とは一味違っており、新鮮な感じがしました。作家のファンの人も、未だ読んだことのない人にも是非手にとって読んでいただきたいと思います。
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モニター
カバーのあらすじには「内気なブランディ」とあるヒロインですが、良い意味で裏切られました。スコットランドの田舎で育ったせいか、慣習にとらわれず、物怖じせず、イングランドからやって来た公爵にまっすぐ向き合う姿が魅力的。入浴を終えたばかりの公爵に遭遇してしまった彼女の反応は傑作です! こんなヒロインがかつていたでしょうか!? 二人が惹かれ合うのは当然といえば当然。何度も読み返したくなる一作です。
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モニター
イアンとブランディの恋物語なのですが、サスペンスの味つけもあります。イアンを狙っている犯人、結局最後まで予想がつきませんでした。猫をかぶった婚約者の正体が見抜けないイアンにはあきれましたが、偏屈な祖母に育てられても、健気に生きているブランディは、応援したくなります。脇役も個性的な人が多く、飽きずに最後まで読める作品です。
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モニター
話が動き出す前の説明が少々じれったい感がありましたが、心が動き出してからはスムーズに流れていきました。登場人物それぞれが持つ個性が強く、どんな展開になるのかという期待を増幅させます。思わぬ事件も発生し、最後まで目が離せません。田舎の風景とのどかな自然を満喫しながら、ヒストリカルならではの魅力も一緒に楽しむことができます。鈍感なヒーローはさておき、純朴で一途な心の強さを持つヒロインが羨ましい限りです。
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モニター
ヒーローやヒロインより強力な魅力? を放っていたのはヒロインの祖母でしょう! 物語の随所に顔をだし嫌味を言って回りながら強烈な個性で読者を引きこんでいきます。祖母の嫌味に思わず「負けるな、ブランディ! 」と応援している自分がいました。主人公たちの恋の行方とミステリーの謎解きにドキドキしながら、祖母をぎゃふんといわせて欲しいと思いました。いつものヒストリカルとは違った不思議な魅力満載のコールター作品です。もちろん保護者本能いっぱいのヒーローと姉妹思いのブランディの一筋縄ではいかない恋模様も最後まで笑わせてくれます。読後感がとっても爽やかな作品です。
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モニター
キャサリン・コールターの初期作という事で、読み始める前から楽しみでした。イングランドからやってきた遠縁の公爵イアンと没落したスコットランド貴族の令嬢ブランディ。全く違う環境に最初は戸惑いながらも、自分の引き継いだ領地に愛着を感じ始めると同時に、後見人としてブランディを女性として見る事は許されないと自分の気持ちに蓋をしようとするイアン。一方、先妻を亡くし婚約者までいるイアンに魅力を感じるブランディ。二人の距離は徐々に縮まるのですが、やはりそこには事件が……。最後まで複線が張ってある面白いストーリーで一気に読み終えました。
テキサスの牧場で育つ。テキサス大学で学んだのち、ボストン・カレッジで歴史学の修士号を取得。卒業後はウォール・ストリートで企業幹部のためのスピーチ原稿を起こす仕事に就いた。1978年に処女作を発表。以後、歴史物ロマンスを中心に多くの作品を著し、ベストセラー作家としての地位を築いた。近年では現代物サスペンス・スリラーが人気を博している。カリフォルニア州在住。