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メアリーは、美人で無分別な妹が最近ヴィダル侯爵に言い寄られて、すっかりのぼせていることに懸念を抱いていた。ヴィダルは冷酷と放埒で名高い“悪魔”公爵の息子で、結婚の意思などないことは明らか。妹が愚かにも愛人になるつもりではないかと心配していたとき、彼女は偶然、ヴィダルが妹を深夜の密会に誘う手紙を手にする。家族の評判を守り、侯爵を遠ざけるためにメアリーは一計を案じ、妹になりすまして密会場所に赴いた。だが姿を明かした瞬間、ヴィダルは騙されたと知って癇癪を爆発させ、代わりに彼女を連れ去った!
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- 頁数
- 448頁 / 文庫判
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- 発行日
- 2011年05月15日
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- 著者
- ジョージェット・ヘイヤー
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- 訳者
- 後藤美香
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- 定価
- 933円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- 発送
予定日 - 2011年05月07日(予定)
- 発送
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- ISBN
- 978-4-596-91455-2
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- 書籍番号
- MRB-455
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モニター
個性に富んだヒーローとヒロイン、そして脇を固める登場人物たち。出だしから興味をひきつけ、読者を飽きさせない話の展開でした。読み始めたら一気読みで最後までいってしまいます。どうしようもなく傲慢で短気なヒーローを上手く扱うヒロインに感心しつつも、旨いところを持って行くヒーロー父に感嘆し、その父の物語『愛の陰影』を再読したくなりました。
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モニター
妹の代わりにヒロインが来たことで激怒したヒーローでしたが、あることがきっかけで惹かれあっていきます。随所に見せるヒーローの優しさがとても魅力的でした。ヒロインもとても可愛くて大好きになりました。たくさんの登場人物も、みな個性豊かで魅力的です。最後まで物語を盛り上げています。物語も二転三転し、ラストまで一気に読みました。静かに、でも深く惹かれていくロマンスが好きな方にはお薦めの一冊だと思います。
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モニター
本の帯の引用になりますが、「100年の歳月を経ても色あせぬ・・・」まさに、ヒストリカル・ロマンスの王道といえる作品です。この物語は古典的なラブストーリーです。読み終えた後は、優しい気持ちが長く続き、何度も読み返したくなるような作品です(HQの初期の頃を思い出しました)。
個性的な登場人物の細やかな心の変化や、とっても危険、放埓で不道徳な侯爵「ドミニク」の、俺様だけど、グっと胸にくるセリフ(言われたい^o^)が、楽しませてくれます。ヘイヤーの作品を読んだのは初めてでした。この物語は「愛の陰影」(ドミニクの両親の物語)の続編だとか。傲慢ドミニクの父公爵の話なら、絶対読まなければ!! -
モニター
ゴージャスな描写によりまるでシェークスピアの舞台を見ている気にさせられる内容です。最近のヒストリカル作品には無い荘厳かつ重厚でありながら、一気に読めるテンポの良さも兼ね備えた作品で、純粋なラブストーリーに胸を打たれます。一見するとどたばた喜劇になりかねないが、その絶妙な文体により破綻するどころか美しい古典作品に仕上がっています。是非、手にとってお読みいただきたい。
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モニター
初版が70年以上前とは思えない内容で驚いています。人物や情景がよく書き込まれていて、ストーリーも古さを感じず、楽しく読むことができました。
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モニター
最近のハーレクインの恋愛にはないような恋愛のお話でした。面白いとはおもいましたがものたりないかな?と思うようような感じがしました。古典的な恋愛話が好きな方にはぴったりではないでしょうか。
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モニター
ジョージェット・へイヤーの本を初めて読ませて頂きました。細かく丁寧な描写で場や服装、仕草を描いてあることで、十八世紀後半の知識に乏しい私を一気に本の世界に引き込みました。ドミニクは賭け事が好きで喧嘩っ早く、酒を飲み、女癖も悪く、当たり前ですが評判も良くありません。そんな生活を続けるドミニクは酒場での賭け事の相手をピストルで撃って重傷を負わせてしまいます。ここまで読んで正直、この人が本当にヒーローなの?と疑いを持ちました。ロマンス小説のヒーローの正義感をドミニクから感じませんでした。
一方、メアリーは放蕩者のドミニクにのぼせて結婚を夢見る妹と母に悩んでいました。清楚で慎ましく、芯が強く、勇気あるヒロインです。ドミニクはある誤解からメアリーに、ひどい仕打ちを何度も行いますが、メアリーは冷静に考え行動しドミニクの誤解を解きます。ここまでくると、私は二人のコミカルで軽快な会話に夢中になり、時間を忘れてどんどん先に読み進んでいきました。
ジョージェット・へイヤーマジックと言ったら良いのでしょうか? 私の中で、危険で自信家なドミニクが愛おしいヒーローに変わっていました。一味も二味もあるドミニクの家族が、物語を一層愉快にしてくれます。そして、最後まで二人の行く末はどうなるのか?と心配しながらも楽しく読むことが出来ました。 -
モニター
沢山の登場人物を表現豊かに書き上げているので、とてもリアルに想像できたと感じました。ヒーローとヒロインの関係が緊迫したものから近づいていくところのやり取りがとても良かったと思いました。ヒロインによってヒーローが変わっていくところはとても読み応えがありました。
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モニター
『愛の陰影』のスピンオフとしては、面白く読めるのだろうと思います。レオニー、ジャスティン、ファニー、ルパートなど前作に登場した人たちの近況をドミニク、メアリーに絡めて語っていますから。ただあまりに脇を固める人たちのエピソード(場面)が多くて、ヒーロー、ヒロインの心の動きが伝わりにくく感じました。ヒーローが騎士道精神を発揮するまでの心の動き、ヒロインがなぜ彼と距離を置こうとするのかなど、感情を言葉で語らせているからだと思います。かえって、メアリーと絡む場面でのジャスティンに雰囲気があり魅力を感じてしまいました。リンダ・ハワードの一番のお気に入り作品だというのでとても期待して読んだのですが、一度読んだだけではどうもよくわからないので再度読み返してみなければと思っています。
1902年英国生まれ。74年に死去するまでに約60作の著作を発表。綿密な時代考証に基づき、リージェンシーをはじめ英国の歴史を舞台にした恋愛小説を多数著した。ロマンス小説家のほとんどが彼女の作品を愛読し、強い影響を受けたと語り、現代のヒストリカル・ロマンスの原型となった。機知に富んだ会話、個性豊かな人物造形は出色で、今でも世界中のファンの熱は冷めることがない。