新聞記者の一家に育ち、10歳のころから小説を書き始める。クリスティン・ジェイムズのペンネームも持ち、現代小説と歴史小説の両方を手がける人気作家として活躍中。欲望と陰謀の渦巻く19世紀のイギリスを舞台にした、ちゃめっけあふれる楽しい作品で知られているが、実はアメリカ出身で、生粋のテキサス人である。

このお話、なんといってもヒロインがとってもキュートです。気が強いくせに、ちょっと臆病な一面もあるところがかわいらしい。15年間もヒーローの帰りを待ちつづけたというのに、いざ舞踏会で彼の姿を目にしたとき、話しかけても気づいてもらえないかもしれないと、わざと気づかないふりをしてしまったりします。かと思いきや、ヒーローのせっかくのプロポーズに憤慨して突っぱねる気性の荒さを発揮してみたり……。ですが結局、そんな一筋縄ではいかない彼女を優しく、ときには頼もしく守ってやるヒーローが、この作品のいちばんの魅力でしょうか。