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遥か昔、海賊ドン・ロダーレが若い娘をさらい、花嫁のために建てた館――その子孫である著名作家ジャック・サルバドールの最新作の仕上げを手伝うため、編集者のデボラは伝説の館へやってきた。ところがそこにジャックの姿はなく、代わりに彼の異母兄ロダーレが現れ、思わぬことを告げる。ここで働く以上、きみは館の主である僕の命令に従わなければならない、と。この尊大な男性は先祖の気質を色濃く受け継いでいるようだわ! 不安に駆られ帰ろうとするデボラだったが、誇り高いスペイン貴族のロダーレがそれを許すはずもなく……。
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- 頁数
- 432頁
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- 発行日
- 2010年09月15日
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- 訳者
- 細郷妙子
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- 定価
- 933円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- ISBN
- 978-4-596-91430-9
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- 書籍番号
- MRB-430 (初版P-10)
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モニター
帯にもあるようにとてもクラシカルなロマンスでした。前半はコーンウォールの自然とそこに建つ歴史ある屋敷を訪れたヒロインの暮らしと心情が丁寧に綴られます。ヒーローとの会話も文学が引き合いに出されたり深くて優雅です。その会話でふたりが惹かれあっていくのがわかるのが良かったです。もともと妻を亡くしたあと行方知れずになっているヒーローの弟の事件があり、後半に向けてその事件とロマンスが絡んでいき、最後まで一気に読んでしまいました。私はベティ・ニールズの大ファンですが、同じクラシカルな小説でもずいぶんと趣が違って面白かったです。
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モニター
ドラマティックロマンスです! 崖の上に建つ旧家の屋敷そしてコンウォールの厳しい自然を舞台背景に海賊の祖先を持つヒーローと幼くして父を亡くしたヒロインのロマンス! まるでヒッチコックの映画「レベッカ」のようでした。ページをめくるごとにシーンが目に浮かび2度楽しめる読み応え十分の作品でした。逆境に負けない芯の強いヒロインに惹かれてしまうヒーローの気持ちもよくわかり、揺れうごくヒロインの気持ちも丁寧に描かれていて共感を覚えました。題名の「光と影」についても登場人物それぞれに当てはまるような気がしました。すばらしい名作をもっと復刊してほしいです!
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モニター
ヒーローの弟の奥さんの死など、ミステリー的な要素もあり、なによりお屋敷の独特な雰囲気が伝わってくる作品でした。ヒーロー、ヒロインはもちろんのこと、他の登場人物もそれぞれ魅力的に描かれていて、先の気になるお話でした。最後まで読むと、ヒロインがヒーローの思いにはちっとも気づいてなかったのね~、とちょっぴりヒーローがかわいそうになりました(笑)
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モニター
前半は自然や屋敷の描写が丁寧に書かれており、その場に行ったかのような感じ、緩やかに進み後半に一気に展開した作品でした。そのせいかロマンスとミステリーが半々で中途半端な感じがし惜しい気がしました。ヒーローと異母弟、それぞれ別の魅力があり、楽しめました。
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モニター
推理小説のような展開にドキドキしながら読み進めていくと、デボラとロダーレのある種緊迫した恋のお話が進んでいく、、ストーリー展開がドラマチックで、まさしくヴァイオレット・ウィンズピアの世界であると素敵な結末に拍手!
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モニター
さすがヴァイオレット・ウィンズピアですね。過去の恋愛のトラウマから男性に興味を持てないヒロイン、デボラとどこまでも傲慢なヒーロー、ロダーレ。彼の異母弟ジャックとその妻ポーリーンが二人に絡み話はなかなか進展しません。そのもどかしさがまた良いんですよね。新しい作品ではないのですが、とても素敵なお話です。
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モニター
ラブリス島の崖の上にそびえたつ伝説の館アビーウィッチ邸に仕事で滞在することになった編集者のデボラ。スペイン人の血を強く受け継いだ誇り高く情熱的なロダーレに出会い、惹かれながらも、高圧的な彼に反発し、自分の気持ちを認めようとしません。一方、彼の異母弟でコーンウォールを愛する心優しい作家のジャックに思いを寄せられます。デボラはどちらを選ぶのか、また、ジャックの亡き妻ポーリーンの死の真相は――と最後まで展開が気になりました。
ロマンスの草創期に活躍した英国人作家。32歳でデビューを果たし、30余年の作家人生で約70作を上梓した。虎のような獰猛さを持ちながらも、心の奥では孤独感や喪失感を抱えるヒーローを巧みに描く。生涯独身を通し、1989年に永眠するも、ロマンスの王道を貫く作風が今もファンに支持されている。