1980年のデビュー以来、ロマンスを中心に多くの作品を発表し、不動の人気を確立してきたスター作家。逞しいヒーロー像と情熱的なストーリーが世界中のファンを魅了している。

今年のクリスマス・アンソロジーは超豪華、あのリンダとノーラを収録しています!二人はまったくタイプの異なる作家ですが、ともに“超”人気作家として不動の地位を確立したのはなぜ?ふとそんなことを考えました。時代?このジャンルをメインストリームに持ち上げた作家たちですから、求められる時代にちょうど現れたという意味で、タイミングの良さは抜群でしょう。ストーリーがよくできている?これは一つの側面でしかないと思います。ロマンス小説を8年編集してきて、“よくできた話”を書ける作家には多く出会ったけれど、全員が二人のようになれるわけではない。では何が違うか。はじめて『マッケンジーの山』を読んだときのことを思うと、はっきり何、とは表現できないですが、なんか心を打たれ、なんか胸が痛かった記憶がある。そうか、これがリンダかー、と思った。そもそも入社試験用の作文を書こうと『ホット・アイス』を読んだとき、鮮やかな色の風景が脳裏に焼きついて離れなかったことも思いだします。ほかにもロマンス小説で心や感覚を刺激された経験は、リンダとノーラの作品が圧倒的に多かったかもしれません。ロマンス花盛りの今ですら、ストーリー以上の感動をもらえる作品にはなかなかお目にかかれないもの。二人のような作家がこれからもたくさん生まれてほしいものですね。このアンソロジーに、〈マッケンジー家シリーズ〉の第4話『マッケンジーの娘』が収録されています。キラキラ加工の新装版と合わせて、この機会にマッケンジー5作品をぜひコンプリートしてください!