ロマンス小説の世界で、絶大な人気を誇る作家。ニューヨークタイムズをはじめ、各紙のベストセラーリストにたびたび登場する。かつて新聞記者として毎日締め切りに追われる生活を送ったことが、現在の精力的な執筆活動につながっているという。米ジョージア州在住で、大の親日家。

家族に虐げられ、どこにも居場所のない少女ティピー。彼女はたとえ飢え死にしようとも、母と母の情夫が暮らす家に帰るつもりはなかったのです。そんな死にかけのティピーを救ってくれたのは、年上の人気俳優でした。ティピーは彼の小さな愛人として、共に暮らします。俳優がエイズで死ぬ日まで。そう、彼は同性愛者であり、哀れなティピーに純粋な目で愛情を注いでくれていたのでした。初めての幸福は瞬く間に去り、木の葉のように翻弄されて、再び人生に惑うティピー。そんな彼女の前に現れたのは──「ぼくはきみ以上に傷だらけの人間だ。だが、きみも心に傷を負っている。傷を負った者同士が互いに深入りするのは正気の沙汰ではない。だから深入りはやめておこう」キャッシュ。彼の瞳に浮かんでいたのは孤独でした。彼女と同じ色の……。