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秘書として慎み深く生きてきたインディアの最愛のおばが、たった一人で海外旅行に出かけ、消息を絶った。いても立ってもおれず、彼女はおばの旅を斡旋したと思しきデレク・ソーンダーズを訪ねる。放蕩者として悪名高いこの次期伯爵は、責任をもっておばを連れ帰ると宣言したが、彼を信用できないインディアは自らも捜索の旅に同行する決心をする。かくて二人は万博開催中の華やかなりしパリへ赴くが、花の都のめくるめく魔法と放蕩貴族の巧みなエスコートに、堅い蕾のようだったインディアの心は、甘く優しくほどかれていき……。
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- 頁数
- 528頁 / 文庫判
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- 発行日
- 2018年07月15日
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- 訳者
- 富永佐知子
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- 定価
- 1,019円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- 発送
予定日 - 2018年07月06日(予定)
- 発送
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- ISBN
- 978-4-596-91760-7
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- 書籍番号
- MRB-760
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モニター
タイトルからお洒落だけれど、少しだけミステリーの混じったロマンスでした。ヒロインのインディアがとても行動力のある女性で憧れました。そしてデレクとのやりとりが時におかしくて、じれったいですが続きが気になりあっという間に読んでしまいます。旅行好きにはたまりません。また、パリで万博が行われていた時代がこんなだったのかと、過去のヨーロッパの様子が良くわかりとても面白かったです。デレクのお兄さんのパーシヴァルの話も読んでみたいと思いました。
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ひかり
超堅物の真面目ヒロインが、超柔軟な放蕩ヒーローやシャペロン夫妻、ヒーロー家族との交流の中で少しずつ“自分”を見つめていく様子が初々しい。頑ななまでに自分の信念を貫いていた彼女が、周囲の思いやりに気付き自分を振り返る。その変化を間近に見つめるヒーローの包容力。パリの街の華やかな雰囲気の中での丁々発止なやりとりも含めて、魅力的なキャラがたくさんの今作ゆえ、ぜひとも続編をお願いしたいです。
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くりっこ
お洒落で自由なパリの話に新婚旅行を思い出しました。ヴィクトリア女王統治時代のパリ万博が舞台になっており、エッフェル塔に行くシーンはまるで主人公達と一緒に上っている気分になります。ヒロインであるインディアは、独身のキャリアウーマンの出で立ちで一度も恋愛をしたことがないため恋やロマンスは無駄と思っているところがまさに現代の独身女性と同じと感じました。私も今の旦那と会うまではまさに彼女と同じように感じてましたし、同じく恋愛には臆病でした。でも自分の心が分かった後の彼女の行動はすごい! 自信がついたら行動するところも共感持てます! 恋愛下手は自信がつくと意外に行動を起こしますから。章ごとの出だしに入るレディ・トラベラーズ協会の手引き書は、旅行に行く際はとても教訓になる事が書いてあり、これも読まれると納得できちゃいます。この一冊でパリに行った気分になれますね。
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レビュアー
この時代には珍しくストイックで意思が強い独立した職業婦人のインディアがハプニングに翻弄されます。博識だからこそ見誤ってしまう。思いやりが空回りして信頼が絡まってしまう。年齢も性別も立場も違う人々の心情に共感できたり教訓になる事も多く、ヒーローのディレクが持つ多面性は煌く宝石のように魅力的です。旅先で異文化に触れ不安と感激とロマンスに包まれる心が温まるストーリーです。
ネブラスカ大学を卒業後、TVレポーターとして華々しい成功を収めたのち、1995年に作家デビューを果たす。これまでに30作以上のヒストリカル・ロマンスを世に送りだし、そのたびに各紙ベストセラーリストの上位に登場している。夫はTV局の元同僚で、彼の名前は作品中の亡夫役としてしばしば使用されているという。ネブラスカ州オマハ在住。