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不義の疑念は消えなくとも高まる想いには抗えず、レイリンは夫の求愛に屈した。夜ごと愛され、レイリンは子を宿したが、それは新たな試練の幕開けでもあった。ジェフの子を産んだと言い張る使用人の娘が殺された夜、遺体の傍らにいたのは、ナイフを手に立ち尽くす夫と、その血まみれの姿を目撃したレイリンだったのだ。愛する夫は殺人鬼なのか──混乱のあまり、レイリンは家を飛び出す。着の身着のまま、身重の体で……。日本中のウッディウィス・ファンが長らく待ち望んだバーミンガム家最後の物語、満を持してここに初刊行!
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- 頁数
- 336頁 / 文庫判
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- 発行日
- 2017年08月15日
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- 訳者
- 琴葉かいら
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- 定価
- 887円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- 発送
予定日 - 2017年08月03日(予定)
- 発送
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- ISBN
- 978-4-596-91726-3
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- 書籍番号
- MRB-726
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モニター
サスペンス要素が強く、テンポよく進むのに、主人公二人の甘々シーンも盛り込まれロマンスとしても読みごたえがあります。独立戦争後、アメリカがどんどんアメリカらしくなる中で、試練に向かいながらもしっかりと自分で立っていこうとするヒロインが印象的な後編です。ウッディウィスの作品の中ではイギリスが舞台になるものより、アメリカものの方が主人公や取り巻く人たちが生き生きしているようで好きです。当時の生活描写も細かくて、目の前に浮かんでくるようで何度も読み返しています。
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モニター
ジェフから別居され心細くなるレイリンが可哀想な気もしましたが、ジェフを信じる事ができないのがもどかしかった。距離をおいたもののレイリンを見守るジェフは包容力がありとても良かった。終盤事件がテンポ良く動き面白かったのですが、レイリンの本国での事件の顛末をもう少し詳しく知りたかった。ともあれ『炎と花』とはまたタイプの違う、ジェフとレイリンが無事幸せになって良かった。
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モニター
上下巻合わせて600ページを越える長編ですが、妻をひたすら愛し抜くジェフと、彼女に次々に降りかかる試練所以か、強く惹かれながらも夫を信じきれないレイリンの2人愛の行方。諦めの悪い悪役グスタフ、ジェフの兄夫婦など、多くの登場人物が交錯し、まるで大河ドラマのようで一気に読めてしまいました。物語最後の2人のなれそめのくだりは、運命の愛を感じさせます。
ルイジアナ州で生まれ、17歳で空軍将校と結婚した。幼い頃から文才を発揮した彼女は、最初の小説を夫の日本駐留時代に執筆。デビュー作にして代表作である『炎と花』は瞬く間にベストセラーに躍り出、最初の4年間だけで230万部を売り上げたという。自立したヒロイン像と情熱的なラブシーンは当時の出版界に革命を起こしたと言われ、以来“歴史ロマンスの生みの母”と呼ばれる。35年の作家生活に13作を上梓し、すべてがNYタイムズのベストセラーリスト入りした。2007年、68歳という若さで、惜しまれつつ世を去った。