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ヴィクトリアには幼い頃の記憶がない。両親の顔さえ知らず、気がついたときにはひとり里親の家を転々としていた。だからだろう、恋人のブレットにすら完全には心を開けずに、写真家としての仕事に没頭する毎日だ。ある日、撮影旅行から戻ったヴィクトリアは、現像した一枚の写真に目を奪われた。そこに写るのは、むっつりした表情の老いた男──まったく見覚えのない男だというのに、彼を目にした日から、ヴィクトリアは夜ごと悪夢にうなされるようになる。これは、失われた過去と何か関係があるの? この男はいったい誰……?
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- 頁数
- 376頁 / 文庫判
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- 発行日
- 2017年05月15日
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- 著者
- シャロン・サラ
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- 訳者
- 平江まゆみ
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- 定価
- 856円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- 発送
予定日 - 2017年05月02日(予定)
- 発送
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- ISBN
- 978-4-596-91717-1
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- 書籍番号
- MRB-717 (初版MRB-15)
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モニター
子供の頃の記憶がなく、その後の人生で人を信じられなくなったヒロインが、自分の過去と向き合い、愛と信頼を築いていく姿は、ページをめくるたび心に響くものがあります。児童虐待など問題を織り交ぜながらも、愛を貫き通すヒロインを描くシャロン・サラの作品は素晴らしいとしか言いようがありません。
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モニター
あまりにも惨い記憶を無くす事で心のバランスを保っていたヒロインが恋人や周囲の人たちから裏切られることのないあふれるほどの愛情を注がれて、人形に込められていたメッセージに気づき、自己と向き合い記憶を取り戻していく様は涙ものです。
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天宮
心に暗い空洞を抱えたヒロインの再生の物語です。美人だが心を閉ざす彼女と、彼女を女神のように崇め支えるヒーローとの他者の入る隙のない深い愛情が、ストーリーを先へとおし進めていきます。真相が明らかになった時よりも、人の思いやりを知り始めた彼女の何気ない言葉で涙してしまいました。扉が開けば、温かい人達がたくさんいるのだというメッセージが感動的です。テーマが重そうと敬遠せず、ぜひ読んでいただきたいです。
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ひかり
ヒロインの身勝手ともいえる行動には封じられた記憶があった。いつも彼の心を試すかのような、そんな彼女への愛に悩むヒーロー。二人で過去に向かい合った時、彼女を失うまいと支えた彼の深い愛には言葉もない。彼女は”愛”を信じた。彼といれば、もう大丈夫。失った過去と幸せな未来、そして何気ない台詞にこめられた想いが切ない。
オクラホマ生まれ。存在感のあるキャラクターと刺激的なプロットを得意とし、各紙ベストセラーリストの常連。実生活で様々な葛藤を経験した彼女の作品は、エンターテイメント性の高いサスペンスの中にも人間への深い愛情が込められている。作品で人を癒すことが最大の喜びと語る。ダイナ・マコール名義でも多くの作品を著し、ひと味違った作風でファンを増やしている。