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英国の小さな港町の片隅で、エレノアはひもじさに耐えていた。子爵の非嫡出子であるばかりに世間から見放され、宿屋を営む祖母と暮らしているが、この半年はひとりの客さえ来ない。ついには長い髪を切って売り払ったとき、港に停泊した船の艦長オリヴァーが宿泊に訪れる。到着するなり体調を崩したオリヴァーをエレノアは懸命に看病した。オリヴァーは厳めしいが、彼女たちの窮状を察すると温かい食事を与え、心地よく暮らせるように取り計らってくれる。エレノアは淡い思いを募らせるが、人並みの幸せなど望めるはずもなくて……。
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- 頁数
- 400頁 / 文庫判
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- 発行日
- 2016年12月15日
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- 著者
- カーラ・ケリー
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- 訳者
- 佐野晶
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- 定価
- 927円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- 発送
予定日 - 2016年12月02日(予定)
- 発送
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- ISBN
- 978-4-596-91695-2
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- 書籍番号
- MRB-695
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モニター
生活のために髪を切って売らなくてはいけないほど困窮した生活を送っていたヒロインですが、明るくけなげに生きています。ヒーローはちょっと後ろ向きですが、ヒロインたちを冒頭からどんどん救ってくれます。実質的にはヒロインやその家族を救ったヒーローですが、孤独で将来の希望も持てない彼がヒロインに心も体も癒され救われたのだと思います。困難な事件も起こりますが、二人で乗り越えて幸せをつかむラストに感激です。私のお気に入りの一冊になりました。
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モニター
天涯孤独な身の上の海軍艦長が出会った極貧のヒロインは貴族の非摘出子。この設定はいかにもカーラ・ケリーらしい。出自のため結婚をあきらめたヒロインと実直で男気のある艦長の恋の糸車は不器用なほどゆっくりと回りだす。泣いてばかりのヒロインが懐の深い愛に癒され、逆に孤独な艦長を幸せにしていく姿は感動と共にシンプルな教訓を残すーー「愛しなさい。育まれた愛は巡ってあなたを幸せにする」……。それと当時のフリゲート艦の様子を知りたいならピカ一の本です。
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ひかり
海軍艦長といういつ死ぬかわからない身でも求婚せずにいられない程エレノアを愛してしまったオリヴァー。慌ただしくとも祝福された結婚。そして彼は初めて自分が満たされていることに気付く。控え目で恥ずかしがりの妻が自分の為に勇敢に立ち向かってくれた時、彼はその大きな愛に包まれた。疲弊した港町の人々の温かさ、艦上で闘う兵士と彼らを待つ家族。厳しい時代を必死に生き、愛し合う姿を描くカーラのロマンスは素朴で美しい。
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モニター
ヒロインとヒーローがお互いに惹かれていく過程が丁寧に書かれていて、とても読み応えがありました。戦争中の厳しい中、二人のささやかな触れ合いや周りの人の優しさが心に響きました。読むことができてよかったです。
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h
幸せになるのに相応しい2人でした。私は主人公達の性格があまりにひねくれているのは苦手なので、怒りっぽ過ぎたりしないのも良いかな。性格やプライドゆえの嘘とかのこじらせ事件はあまりない。登場人物が始めと終わりで別人みたいに変わってしまうようなこともない本当に素朴なラブストーリーだと思います。
大学でラテン・アメリカの歴史を学ぶ。歴史的な興味から、西部開拓時代を舞台にした短編を執筆したのち、英国摂政期のロマンスを手がける。執筆活動の傍ら、今も歴史の研究を続けている。RITA賞を2回受賞するなど、権威ある賞の受賞歴も多数。さまざまな階級の人々の暮らしを温かな目線で描き、圧倒的な支持を得ている。大学教授を引退した夫とともにアメリカのユタ州に暮らす。