ハーレクイン文庫
看護師のアンジーは6年ぶりにバヤルター島へ向かっていた。 身寄りのない彼女は10代のころ、 よく親友に招待されて、この美しい島で休暇を過ごしたものだ。 だが、温かく迎えてくれたサルド一家との楽しい思い出は、 先週親友からもたらされた知らせで輝きを失った。 親友の兄リックが爆弾の破片をあび、視力を失ったのだ! スペイン名家の跡継ぎで、自信にあふれていたリック―― ひそかに愛していた彼の苦悩を思うと、アンジーの胸は痛んだ。 わたしがそばにいるわ。この想いが報われなくても。【今月の究極:語り継がれる名作】
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- 頁数
- 200頁 / 文庫判
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- 発行日
- 2014年07月01日
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- 訳者
- 安引まゆみ
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- 定価
- 682円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- 発送予定日
- 2014年06月20日(予定)
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- ISBN
- 978-4-596-93597-7
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- 書籍番号
- HQB-597 (初版I-114)
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モニター
始めから終わりまで引き込まれる内容であっという間に読みきってしまいました。会話文が多いので、より登場人物の心の動きや表情などが浮かんできて、人物像を想像しやすいと思います。少し堅苦しい、遠回しな表現もありますが、日常生活から掛け離れた世界観に浸りたい人にはもってこいの1冊だと思います。リックとアンジーの切ないほど純粋な愛に触れて、もう一度こんな恋愛がしてみたくなりました。
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モニター
リックの辛辣な言葉の中に、アンジーを求めてやまない思いが溢れていて、読み進めるたびにキュンキュンきてしまいました。そして、アンジーの「自分で自分の主になれる日がくる」という信念がサルド家の兄妹に大きな変化をもたらし、また私の心にも深くつきささりました。
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モニター
少々古めかしい雰囲気のある作品でしたが、却って新鮮に感じました。スペイン総督の財力、地域への影響力の大きさや、その息子の生来の男っぽい魅力が、イギリス人であるヒロインの視点から伝わってきます。しかし、戦争での負傷がヒーローの視力を奪うだけでなく、命を脅かし続けている。絶望しきって冷たく周囲に当たるヒーローを看病しながら、少女の憧れでなくヒーローの本質を見、「真実の愛」を報われなくとも、色々誤解されてもなお心に静かに秘め続けるヒロインは本当に凛としていて魅力的だと思いました。素敵な作品です。
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モニター
あらすじを読んでも、なぜこの題名なのか想像出来なかったのですが、最後まで読むと納得できます。81年の作品なので、台詞の言い回しに多少時代を感じる部分もありますが、ひたむきに想いを寄せるヒロインに、次第に心を開くヒーロー。そしてヒロインに対してひたすら意地悪な女の登場と、正にハーレクインの王道ストーリー展開です。飽きさせず一気に読ませるあたりは、さすがの作家さんだと思いました。永眠されたのが残念です。
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モニター
この作品は他のハーレクインとは違ってなかなかヒーローの気持ちが見えず、その上、二人が惹かれあう過程も遅々としているので、最後までどうなるんだろうというもどかしさをずっと感じていました。その分、ラストでヒーローがヒロインに対する気持ちを告白した時すごく心が晴れ、読み終えた時には思わず笑顔になってしまいました。二人に明るい未来が待っているといいなと応援したくなる素敵な作品でした。
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モニター
昔の作品のためか、ラブシーンもあまりない純愛物語で、逆にそこが新鮮で面白かったです。ヒーローにとってヒロインの面影は16歳のまま。ヒーローが恋愛モードに入らないのではとハラハラドキドキしたり、仕事のため自分の感情を悟られないように愛情を押し殺すことに切なさを感じたりと、ヒロインと一緒に片思い気分を堪能しました。
ロマンスの草創期に活躍した英国人作家。第二次大戦中、14歳の頃から労働を強いられ、苦しい生活の中から“現実が厳しければ厳しいほど人は美しい夢を見る”という確信を得て、ロマンス小説を書き始める。32歳で作家デビューを果たし、30余年の作家人生で約70作を上梓。生涯独身を通し、1989年に永眠するも、ロマンスの王道を貫く作風が今もファンに支持されている。