ハーレクイン文庫
12歳で両親を亡くし、キプロス島の遠戚に引き取られたヘロ。 以来、厄介者としてさんざんこき使われたあげく、 17歳になるや、好色な村の男との結婚を決められてしまう。 あまりのことに絶望に暮れるヘロを救ってくれたのは、 都会から島に来ていたギリシア人大富豪、ダミアン・スタブロス。 この紳士なら……と、藁にもすがる思いで助けを求めたヘロを、 ダミアンは莫大な金を遠戚に払って自由にしてくれたのだ。 ただし見返りに、彼の一族の前で“妻”を演じるよう命じて―― それはギリシア名家を舞台にした、新たな波瀾の幕開けだった。
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- 頁数
- 208頁 / 文庫判
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- 発行日
- 2014年05月01日
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- 著者
- アン・ハンプソン
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- 訳者
- 加藤しをり
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- 定価
- 682円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- 発送予定日
- 2014年04月18日(予定)
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- ISBN
- 978-4-596-93588-5
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- 書籍番号
- HQB-588 (初版R-261)
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モニター
原題と全く異なるタイトルで、原題のほうがかっこいいのでは?と思いましたが、読後はなるほど!と感心してしまいました。アン・ハンプソンといえばまず思い浮かべるのは「最後の船旅」の凛としたヒロインですが、この作品のヒロインは幼さがとても目立ちました。幼さゆえの良さと、独善的でもある行動のアンバランスさが彼女らしさを作っていました。ヒーローも考えがとても読みにくい人柄。でも、最後には二人がこれから幸せになる姿が目に浮かぶようでした。個性的すぎる面々が目白押しですが、どちらかといえば良識的な人ばかりだったので、ほっとしました。
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モニター
1979年初版の作品なので今時のヒーローとは少し違いますが、そこがある意味ヒストリカルを読んでいる気分にさせてくれます。翻訳の言葉選びも良くスムーズに読むことができました。ヒロインの純真さが少しずつ周囲を巻き込んでいく様子は読んでいて爽快です。最初はヒーローの感情があまり見えませんでしたが少しずつ周囲の状況に気づき始め嫉妬までするようになるとは。私はこの王道ロマンスがやっぱり安心して読めて好きですね。
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モニター
まさにシンデレラストーリー。ヒロインの人柄がまわりの人々を変えていき、逆境にめげない力強さ。それを見守るヒーローの、策略を巡らせているようには見えない穏やかな揺るぎない存在感。あっという間に読めて心温まる作品でした。
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モニター
個人的に大ファンの、ヴァイオレット・ウィンズピアの作品を彷彿させ、とても面白く読む事ができました。ヘロが酷い境遇から、言葉は悪いけれどしたたかに成り上がって行く様子が意外でした。ヒーローのダミアンは初めてヘロにあった時に彼女の芯の強さに気がついていたのですしょうか。一族に新しい風を吹き込んだヘロの筋が通った姿がかっこいいです。
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モニター
私はお金持ちではないので、お金持ちの世界の事は分からないのですが、いかにお互いについて無関心で、それなのに相続については人一倍関心があることか、その考え方にヘロ同様、違和感がありました。しかし、それがストーリーが進む事で徐々に変化していくところや、ヘロがダミアンに抱く気持ち、ダミアンがヘロに抱く気持ち、どの様に変化していくのかが読みどころです! 私が今まで読んできたどの本のヒーローよりも、気難しくて鈍感なヒーローでしたが、それもまた新鮮でした。
元教師。旅行好きで、各地での見聞をとり入れて小説を書きはじめたところ好評を博し、ついに教師を辞め執筆活動に専念することにした。物語の舞台に選んだ場所へは必ず足を運ぶことをモットーとしている。