ハーレクイン文庫
幼い頃に母を亡くし、里親のもとを転々としてきたシェリーは、24歳のある日、思いがけぬ事実を知ることとなった。遠い昔に死んだと聞かされていた父親が、実は最近まで生きていて、ずっとシェリーを捜していたという。シェリーはいてもたってもいられなくなり、亡き父が暮らしていた異国ポルトガルへ向かった。到着した荘厳な館で彼女を迎えたのは、義兄のジェーム伯爵。伯爵はシェリーを見ると、冷酷な笑みを浮かべて言い放った――遺産目当てで現れた人間を歓迎する気はない、と。
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- 頁数
- 200頁 / 文庫判
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- 発行日
- 2012年12月01日
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- 著者
- ペニー・ジョーダン
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- 訳者
- 麻生恵
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- 定価
- 681円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- 発送予定日
- 2012年11月22日(予定)
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- ISBN
- 978-4-596-93485-7
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- 書籍番号
- HQB-485 (初版R-688)
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モニター
「愛」と「信頼」がテーマです。生まれたとき母を亡くし、父もいないと聞かされて育ったシェリー。人を寄せ付けないで生きてきたシェリーが、父の再婚相手の息子、義理の兄ジェームと出会います。二人が愛し合えるのか、さらには信頼し合えるのか、最後の最後までハラハラさせられました。
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モニター
誤解とはいえ、お互いの第一印象は最悪なヒーローとヒロイン。そこからラブリーな関係になっていく経過が読みどころだと思います。とにかくヒロインに一途で、強引&熱烈にアプローチするヒーローは〇です!!
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モニター
容姿の美しさとは裏腹に、自らを魅力に欠ける地味な存在だと思い込んでいるヒロイン、シェリー。子供の頃から周囲の大人達の心ない仕打ちで「自分は愛される価値などない」との思いが強く、出会ったばかりなのにお互いを知りあう間もなく結婚を急かすジェームの愛を信じる事ができない。実は、ジェームにとってシェリーは言わば理想の女性。ジェームの敬愛する今は亡き継父(シェリーの幼い頃に生き別れた実父)が、逢えない娘を想って描きためたシェリーの肖像画は、いつしか彼の心を捉えてしまっていたのでした。貞節を重んじるお国柄のせいでしょうか、おかげでシェリーの罪作りな無垢さ加減に、ジェームの理性の限界点が何度も最高値を更新する場面があり、気の毒になりました。
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モニター
初対面から敵意丸出しのヒーローと、不当な非難に耐えるヒロインの図が、HQらしくて好きです。不幸な生い立ちのせいで、愛を信じられないシェリー。誤解が解けて態度が軟化した義兄を、すぐには信用できずに頑なな態度を取り続ける彼女。彼の元恋人が現れて、益々こじれていく二人。このドロドロ具合が最高です。自虐的すぎる彼女に少々苛立ちを感じながらも、ラストまで一気読みでした。さすが大御所P・ジョーダンの作品です。
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モニター
生い立ちから自分に自信が持てなくて不安になったり悩んだりするシェリーを、ゆっくりと、でも強く導いてくれるジェームはとても魅力的でした。こんな風に愛されたい。ジェームがシェリーに恋したエピソードも素敵です。最初から最後まで一気に読み終えましたが、もう一度じっくり読み返したいです。
1946年にイギリスのランカシャーに生まれ、10代で引っ越したチェシャーに生涯暮らした。学校を卒業して銀行に勤めていた頃に夫からタイプライターを贈られ、執筆をスタート。以前から大ファンだったハーレクインに原稿を送ったところ、1作目にして編集者の目に留まり、デビューが決まったという天性の作家だった。2011年12月、がんのため65歳の若さで生涯を閉じる。晩年は病にあっても果敢に執筆を続け、同年10月に書き上げた『純愛の城』が遺作となった。