ハーレクイン文庫
15歳で父を亡くしたヴェリティは、全財産を政府に没収され、冷酷な叔父に引き取られた。令嬢として何不自由なく暮らしていた過去がまるで嘘のように、彼女は使用人同然に扱われ、つらい毎日を耐えるしかなかった。唯一の心の支えは、記憶の中の優しい紳士──マックスだ。父の墓前で泣く彼女に、彼は温かい言葉をかけてくれたのだった。あるとき、叔父の屋敷を訪ねてきたブレークハースト伯爵を見て、ヴェリティは愕然とした。マックスが、なぜここにいるの? 動揺する彼女に伯爵は平然と言い放った。愛人になる気はあるかと。
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- 頁数
- 384頁 / 文庫判
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- 発行日
- 2012年08月01日
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- 著者
- エリザベス・ロールズ
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- 訳者
- 田中淑子
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- 定価
- 796円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- 発送予定日
- 2012年07月20日(予定)
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- ISBN
- 978-4-596-93458-1
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- 書籍番号
- HQB-458 (初版HS-299)
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モニター
ヴェリティとマックスの出会いが、素敵に切なくて、文頭から物語の中に惹き込まれました。ヒロインの優しさと芯の強さに、思わず涙ぐんでしまい、ヒーローの嫉妬心には微笑んでしまいました。最後まで飽きさせない物語の展開に感激です。エリザベス・ロールズの作品は初めて読みましたが、ファンになりました。
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モニター
題名から「また気の強いヒロインの話?」と思って読み始めると、芯は強いけど、純真で守ってあげたくなるようなヒロイン。子供の頃の辛い過去を考えれば素直な気持ちを失っても仕方ないのに、人を信じ、自分をきちんと把握している。涙もろいせいかヒーローの暴言にヒロインが涙する時の気持ちを考えると、一緒に泣いちゃいました。これまでたくさん読んだ中で、久しぶりにちょっと違うヒロインに新鮮さを感じました。ヒーローはいつもと同じ? 優しいけど自分に気持ちに正直になれない。ヒロインを傷つけ、後悔し成長?して行くって感じかな? 今回はヒロインが◎◎◎◎◎。是非読んで見て下さいね。
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モニター
大好きな作品です。ヒロインの置かれている苦境や少女の頃の心の支えであるヒーローへの想い、再会した後もまた波乱の波にもまれていく様は切なすぎて涙なくしては読めないほど。ヒーローもヒロインへの想いが読んでいて手に取るようにわかるのに、思い込みや自分の負い目、亡き母との約束に縛られて余計にヒロインを苦しめます。ヒーローを想って身を引く覚悟で行動したヒロインは本当に健気な女性。切なさ満載のおススメの作品です。
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モニター
父を亡くしたヒロインは叔父に引き取られますが、つらい生活をします。ヒーローはヒロインの事を気にかけていましたが、つらい生活をしていると知りませんでした。久しぶりのヒストリカルでしたが、一気に読み終えました。泣けます。
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モニター
父親が自殺、叔父の家で冷遇され不幸な人生を強いられているヒロインの心の支えは、ヒーローとの思い出でした。ヒーローは恩人の娘であることに気づかずに愛人にならないかと提案。自分は望まれていると思い、ヒロインは承諾しますが、恩人の娘であることがばれてしまい、結婚となりました。騙されていたと思ったヒーローは、ヒロインにメロメロなのに辛く当たり傷つけてしまいます。すれ違い傷つけあってしまう二人が、読んでいてとてももどかしかったです。健気な彼女がいじらしくて、切な過ぎて泣けました。
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モニター
19世紀貴族社会は女性の立場が弱く、ヒストリカルを読むたびにヒーローの登場を心待ちにしています。本作のヒロインのヴェリティもつらい状況でした。だから助けてくれたマックスにかなり期待していたのに……マックスは焼きもちやきで自分の気持ちに気づかずに、優しくなったり意地悪したり。そんなマックスを愛し続けるヴェリティは素晴らしい! やっと気持ちが通じ合ったときにはウルウルしました。二人の関係に重要な役割を果たすリチャードにも、幸せになってほしいと思いました。
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モニター
ヒロインは少女の時のなすすべもない状況でヒーローと出会い、その存在を支えに過酷な生活をなんとか生きてきます。再び出会った時には想いがすれ違い、ヒロインがますます追い詰められる様に涙なしには読むことができませんでした。決してヒーローが悪いわけではありませんが、思い入れが強いせいか、ヒロインを悪くとりがちで、読みながら軽く罵らずにはいられませんでした。本当に幸せになって欲しいと願わずにはいられないヒロインです。
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P
プロローグでヴェリティに起きた悲劇は本当に辛いものですが(イギリスでは実際に20世紀初めまで行われていた風習とのこと)、マックスの包み込むような優しさでヴェリティが救われたことで読んでいるこちらもほっとします。しかし再会してからのマックスには、どうしてそんなにひねくれちゃったの? と言いたくなります(それなりの事情はありますが)。助けてくれる人がほとんどいないなかで、ヴェリティは本人の努力で少しずつ周囲に本当の自分を理解してもらえるようになりますが、マックスとの間はお互いの誤解もあってなかなか距離が縮まらず。辛い目に遭うヒロインですが、もちろん最後には幸せに。幸せになってからの姿と、本作中でヒロインを誤解したままだったあの人との仲直りはマックスの弟、リチャードが主人公になる『幸せを運ぶ求婚者』でも見られます。こちらも文庫化されるといいな。
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モニター
題名からの想像とはちょっと違った感じがしました。幼い頃の辛い事にもめげず純真なヒロイン。愛人になるのも今の生活から逃れるための苦肉の策。でも、その思いも皆に理解されず……。それでも人を信じ、自分に正直に運命に立ち向かう強さを秘めた素敵なヒロインでしたね。ヒーローは、本当は素直なのに素直になりきれない。思いこみが強いけど、本当は優しい。ヒロインに対して相反する気持ちに揺れ動きながら成長していく。そんな素敵な作品です。是非一読してみて!!
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yuki
ヒストリカルが好きでいろいろな作品を読んでいますが、こんなにもせつなく胸がいっぱいになる物語は初めてです。ヴェリティを愛しながらも、弟のリチャードを気遣って跡継ぎを望まなかったマックス。リチャードもヴェリティはマックスをだまして結婚したと思い認めることが出来なかった。少しずつヴェリティを認めはじめたリチャード。ついにはマックスに自分は叔父さんになりたいと思いを伝えます。マックスも自分の気持ちに素直になることが出来てヴェリティを愛し守ると誓います。次はリチャードが幸せになる番ですね!!
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さぶちゃん
ヒロインがいちずでかわいい。まさに彼女にとって心の支えだったヒーローが途中あんまりにも嫌な男になっちゃって残念な人でした。面白くないという意味じゃありませんが。そして面白かったのは、よくありがちな意地悪な継母が何気に得して終わりじゃないところです。悪人には天罰が落ちてすっきり。
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やすのん
背表紙のあらすじを見て買いました。辛い境遇に耐えながらもまっすぐに懸命に生きるヴェリティは本当に応援したくなってしまいます。読み始めるとついつい引き込まれてしまい、一気に読み終えてしまいました。久しぶりの大ヒットです。
イギリスのケント生まれ。父の都合で幼少期を過ごしたオーストラリアのメルボルン、パプア・ニューギニアの生活が執筆に興味を抱くきっかけとなった。ニューサウスウェールズ大学では音楽学を専攻し、音楽教師も経験。現在はメルボルンで暮らす。