ハーレクイン文庫
優秀なイギリス人看護師のデスティーンは、脚の不自由な女性の付き添いをするため、スペインへ渡った。滞在先で出迎えたのは館の主、アルテスという男だ。彼を見るなり、デスティーンの脳裏につらい過去がよみがえった。2年前、彼女は新婚旅行中に自動車事故で夫を亡くしている。目の前のアルテスは、まさにその加害者と瓜ふたつだったのだ! 感情を抑え、献身的な看護に尽くすデスティーンと、ある秘密を抱えたアルテスはしだいに強く惹かれ合う。そんな時、彼が婚約するという噂がデスティーンの耳に入り……。
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- 頁数
- 208頁 / 文庫判
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- 発行日
- 2012年07月01日
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- 訳者
- 谷みき
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- 定価
- 681円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- 発送予定日
- 2012年06月21日(予定)
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- ISBN
- 978-4-596-93456-7
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- 書籍番号
- HQB-456 (初版R-110)
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モニター
最愛の人に去られ人生を仕事に捧げてきたデスティーン。けれどもアルテスに会った瞬間から感情をむき出しにしてしまい、とまどいを覚えますが、とても人間的なことだと思います。憎い人のはずなのに思いが募り、手に入れられない切なさに焦がれる様をもどかしくも共感しながら読みました。
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モニター
コンテンポラリーの分類ですが、年代が古いのでヒストリカルとの中間という印象です。デスティーンが、愛する夫を殺した男とそっくりのアルテスと恋に落ちるお話です。アルテスは会った瞬間から嫌味を言いますが、その時から彼女に恋していたと思います。一方のデスティーンは、憎しみと愛の葛藤が書かれています。ただ個人的には、最後にいきなりハッピーエンドってところが残念です。もう少し詳しく書いてくれたら良かったと思います。
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モニター
2年前、結婚式当日に、自動車事故で夫を亡くした看護師のデスティーン。その事故の加害者と双子のようにそっくりで、火傷の傷があるため、ドン・シカトリスと呼ばれているアルテス。心と身体に傷を持つ二人の厳しく、激しい言葉の応酬が大変印象的でした。
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モニター
舞台はスペインの田舎町。太陽と水が彩る風景が目に見えるようだ。その土地に根付く生活、登場人物のそれぞれの個性。強く、たおやかに、それぞれが自らの運命を背負い、悩み苦しみ、日々過ごしている。すべてが生き生きとし、読み進めるうちに、それらの人々が知り合いのように思えてくる。ただ、おしむらくは、ヒロインが初めは狂おしいほどに憎み、恨んできた人物の故郷や家族を受け入れるようになってきた心の変化をもっと深く描いてほしかった。全てを捨て、愛のみをとった結末には驚き、心を打たれた。
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ぷー
展開が読めず、予想外の結末でした。読み終わった後は、とても哀しい気持ちになりました。
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ねね
夫を殺した男と同じ顔をしたアルテス。絶対に愛したくない相手なのに、その意志に反してどんどん惹かれてしまう自分……。二人の出会いに運命の残酷さを感じずにはいられませんでした。ヒーロー、ヒロイン以外にも、登場人物がみな辛い過去を持つ人ばかりで、そんな環境の中で二人が愛を貫くことの重さを考えさせられました。
ロマンスの草創期に活躍した英国人作家。第二次大戦中、14歳の頃から労働を強いられ、苦しい生活の中から“現実が厳しければ厳しいほど人は美しい夢を見る”という確信を得て、ロマンス小説を書き始める。32歳で作家デビューを果たし、30余年の作家人生で約70作を上梓。生涯独身を通し、1989年に永眠するも、ロマンスの王道を貫く作風が今もファンに支持されている。