ハーレクイン文庫
「こちらはデイトン公爵よ」紹介された相手を見て、ヴェリティは激しく動揺した。記憶が瞬時によみがえる──10年前、デイトン公爵は社交界で放蕩者の浮き名を流していた。かねがね噂を聞いていたヴェリティの憧れの存在でもあった。そう、あれは公爵とちょうど同じ屋敷に滞在していた日、彼女が家の借金のために無理やり嫁がされる直前のことだ。最後の思い出にと意を決して公爵の寝室に忍び込んだのだった。長い時は流れたのに、彼は依然としてハンサムで魅力的だ。あの秘密は知られたくない……。彼女は娘を連れて逃げ出した。
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- 頁数
- 328頁 / 文庫判
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- 発行日
- 2011年09月01日
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- 著者
- マーガレット・ムーア
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- 訳者
- 田中淑子
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- 定価
- 755円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- 発送予定日
- 2010年08月24日(予定)
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- ISBN
- 978-4-596-93392-8
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- 書籍番号
- HQB-392 (初版HS-267)
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モニター
読み終えた後もその作品の中にいるような、素敵な作品でした。デイトン公爵とヴェリティの繊細な心情がじれったくも切なく、二人がこれからどうなるのか気になってしまい、一気に読んでしまいました。マーガレット・ムーアさんの描く、独特な素敵な男性像は健在です。デイトン公爵とヴェリティのもつ影は二人の暗い過去にあるのだけれど、二人がそれにどう向き合っていくのかも見どころだと思います。
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モニター
マーガレット・ムーアは好きな作家です。『チャイナ・ドール』などは何度も読み返しています。この本は、ヒーローがとてもよいです。エキセントリックなところが無く、昔の自分の行動を真摯に受け止めてヒロインに拒絶されても諦めずに理解ししようとしています。ヒロインの元夫の肖像画を見て落ち込むところなど可愛く、人間性が良く出ていて、やはり上手な作家さんだなあと思いました。ヒロインのやんちゃな娘、メイドのナンシーなど、脇役も活き活きとしてお勧めの本だと思います。
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モニター
生活を改めての十年ぶりの帰郷にもかかわらず、放蕩者として浮名を流していた十年前と変わらない自分への評価、娘の存在を知っても名乗れないヒーローの苦しみとせつなさ。自分の罪深さに対する罰のようにあまんじて受けるヒーローの愛情深い行動に胸が痛みました。父とは知らない娘とヒーローのやりとりに心が温まりとてもよかったです。幸せな気持ちになれるラストにも。
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モニター
10年前の一夜の秘密を抱えて生きてきたヒロイン。ヒーローに惹かれながらも秘密を守るため自分の気持ちに素直になれません。ヒストリカルならではの華やかな社交界と閉鎖的な貴族社会が堪能できます。自立心旺盛なヒロインなのでヒーローに頼ることなく自分で問題を解決しようとします。もっとヒーローを信じて頼ることができればよかったのに。そこが少し残念です。
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モニター
放蕩者のゲイリン公爵は10年前と変わった。若き未亡人となったヴェリティに再会し、ジョスリンが自分の娘だと知ると、さらに誠実で愛情あふれる公爵となる。互いに思う気持ちは強いが、世間体もあり、秘密を隠し続けていたいと願う彼女。二人は愛するジョスリンのために悲しい決意をするが…気になる場面で、でそれぞれの感情がうまく表現されていて、ヒストリカルらしいもどかしさもあり、最後まで読み応え十分でした。
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モニター
切ない話で最後まで目が離せませんでした! 過去の出来事が、惹かれあうヒーローとヒロインの間にここまで影を落とすなんて…。キッチンでの微笑ましい会話を読むと、早く何とかしてあげたいと応援してあげたくなります。解決の糸口はあるのか、気になりながら読み一進めました。個性的な登場人物達も登場し、最後は幸せな気分になりました!
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モニター
これぞヒストリカルという再会物語です。二人の息詰まる攻防(?)の連続に、ずっとドキドキして読みました。ハーレクインらしく登場人物全員がとてもいい人ばかりで読後は清々しいです。(義弟除く) ヒロインは自分の生い立ちや秘密のため、そして何より娘のために、大変な忍耐をしてきたと思います。公爵と結婚した後は別人と思うぐらい茶目っ気たっぷりで、少女の頃のままの本来の彼女にやっと戻れて、彼女がどれだけ幸福かよく解ります。見逃せないのは、ナンシーの毒舌ぶりです。シリアスな展開の中で唯一面白さを味わえる存在です。リージェンシーという時代背景を感じさせる議論などもあったりして、ヒストリカル好きの私には満足の内容でした。
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モニター
こんなに愛されているヒロインはなかなかいないんじゃないかしら? 特に亡くなっただんな様のヒロインへの愛は、あらすじから想像していたものと丸っきり違ってました。そして娘さんが愛らしい。そして公爵様はとても過去に放蕩三昧の日々を送って来たと思えないほど献身的。最後はあっけない感じもしましたが、ある意味、全てがあるべき場所に収まって、読後感もスッキリです。マーガレット・ムーアは初めて読んだのですが他の作品も読んでみたいです。
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モニター
社交界で放蕩者の浮名を流していたデイトン侯爵の寝室に忍び込んで10年。それから長い年月が経ち、再び、彼に再会するとは。彼女の美しい姿を見て彼は再び心を惹かれる。侯爵に知られてはならない大きな秘密を抱えているブェリティはあの手この手で隠れ、逃げ回るが彼女の行く先ざきに現れる侯爵。この大きな秘密が二人の間に入り込む可愛いキューピットによって明らかにされるとは・・・ほのぼのと心温まる物語でした。
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モニター
熱を帯びた若き日の恋心から、大人の愛と成長して行った未亡人ヴェリティ。そして母親としての強い愛。大切な人を守る凛としたヴェリティの強さと弱さの中で葛藤する切なくも愛おしい姿が印象的でした。
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モニター
普段あまり恋愛小説は読まないのですが、突然の出来事が懐かしい昔の記憶を呼び起こし、現在と過去の出来事の間を行き来する大人の恋の葛藤を描いたとてもグッとくるお話でした。
俳優のエロール・フリンに憧れ、『スター・トレック』のミスター・スポックに恋をした少女は、やがて謎めいた魅力的な悪漢をヒーローに仕立てたロマンス小説を書くことに夢中になった。カナダのオンタリオ州スカボローに夫と2人の子供、猫と暮らす。読書と裁縫が趣味。