ハーレクイン文庫
仕事で世界各地を旅しているジャナは、コート・ダジュールのホテルの庭に腰をおろしていた。近くの木陰で言い争う男女にふと気を引かれて見ていると、泣き伏した女を置き去りにして、美しい男が悠然と歩いてきた。「失礼、セニョリータ」男はジャナの前で立ち止まり、傲慢そうな黒い瞳で彼女の全身を眺めわたした。そのときのジャナには知るよしもなかった。この黒豹のように美しい砂漠の領主に連れ去られ、彼の祖国の宮殿で愛なき婚約劇を演じるはめになろうとは。
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- 頁数
- 208頁 / 文庫判
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- 発行日
- 2010年05月01日
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- 訳者
- 小谷正子
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- 定価
- 681円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- ISBN
- 978-4-596-93298-3
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- 書籍番号
- HQB-298 (初版R-368)
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モニター
ジャナみたいな子は、最近は絶対見かけない。と思うほど、”うぶ”で、ラウルがちょっとかわいそうに思えるほどでした。いつこの子は、相手の気持ちに気が付くんだろう。と・・・・。作者紹介を見て、ある意味納得してしまいました。ロマンスの王道を読んでみたい人は、是非一度お試しあれ。
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モニター
『氷漬けの花』ジャナに一目で夢中になった『砂漠の熱い男』ラウル。エキゾチックな国々を旅しながら太陽が氷を溶かし、気持ちをひとつにしていく過程が、映画のごとく細かな背景描写と生き生きとした会話で綴られていて終始うっとりして読んでいました。
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モニター
独特なイメージがあって今まであまり読んだことのない作家さんだったんですが、読みやすくて驚きました。純真で可愛いだけじゃなく意外としっかりしているヒロインだったのが嬉しかった。ラストのヒーローの愛の言葉には思わずうっとり。”身分違い”というより”年の差”のような雰囲気があって、それがすごく面白かった。砂漠ならではの大変さも書かれてましたが、その後に宮殿にたどり着いた時は本当にオアシスのようで魅せられましたね。
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モニター
不幸な生い立ちのせいで、自分の将来にあまり期待せずに、ヒーローへの思いを隠して、身を引こうとするヒロインと、ちょっと強引であまり素の自分を見せないヒーローに最後はどんな風になるのかと思いながら一気に読みました。ヴァイオレット・ウィンズピアは十数年ぶりに読みましたが、いつも読んでいるものと違ってさわやかな感じで、新鮮な気持ちで読ませていただきました。
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モニター
ジャナは愛を知らずに育ったせいか、出会った時の思い込みのせいか、自分の心を見せないようにふるまった。ラウルも愛してる素振りを見せずにいたけど、公妃のおかげでジャナが幸せになれて本当によかったです。ミルドレッドはとても嫌な女に描かれていたけど結局はそのおかげでジャナが愛を知ることになったのである意味恩人だと思います。
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モニター
ヒロインが想像力豊かでヒーローの事を誤解しているのが読んでいてもどかしかったです。お互いの気持ちが通じ合った時はホッとしました。
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モニター
ヒロインの頑固さにイライラし、ヒーローの言葉の足りなさにヤキモキしつつも、先が気になってあっという間に読了。ハッピーエンドと分かっていてもドキドキできる一冊。
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モニター
ヒロインの芯の強さと他人を思いやる心が、ヒーローの気持ちをとらえます。でもヒロインの繊細な心を気遣うあまり、強い自分の気持がヒロインを傷つけるのではと、率直に表現するのをためらうヒーロー。それが互いの気持ちのすれ違いになり、お互いを遠ざけようとします。お互いの気持ちに素直になったとき、すばらしい世界が開けて来るのですね。
ロマンスの草創期に活躍した英国人作家。第二次大戦中、14歳の頃から労働を強いられ、苦しい生活の中から“現実が厳しければ厳しいほど人は美しい夢を見る”という確信を得て、ロマンス小説を書き始める。32歳で作家デビューを果たし、30余年の作家人生で約70作を上梓。生涯独身を通し、1988年に永眠するも、ロマンスの王道を貫く作風が今もファンに支持されている。