ハーレクイン文庫
キャシーは電話応答代行サービスの夜間オペレーター。毎晩12時、顧客のストーンからかかる電話を心待ちにしている。人嫌いで有名な億万長者の彼は、私的な電話はすべて代行を通す。毎日連絡をよこす彼とのおしゃべりがささやかな楽しみなのだ。でも実は、キャシーが彼に語っているのはすべて作り事。自分がいかに容姿に恵まれ、華やかな暮らしをしているか――だってこれはゲーム。地味で平凡な女だと明かす必要はないわ! ところがある晩、電話のさなかに代行会社のビルで火事が起き、心配したストーンが彼女のもとに駆けつけてきて……。
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- 頁数
- 304頁 / 文庫判
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- 発行日
- 2010年04月01日
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- 著者
- スーザン・マレリー
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- 訳者
- 山田信子
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- 定価
- 755円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- ISBN
- 978-4-596-93295-2
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- 書籍番号
- HQB-295 (初版N-804)
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モニター
周りの人がはっと息をのむような美人がヒロインになることの多いハーレクインの中で、ぱっとしない容姿でそれをコンプレックスに感じているキャシーは、読んでいる自分に近く、その気持ちにとても共感できました。愛する人のため、何より自分自身のために変わろうと前向きにチャレンジする姿に感動し、応援したくなります。そんなキャシーに惹かれながらも、自分の気持ちを愛と認めずにキャシーを傷つけてしまうストーン・・・切なくて涙が出ました。お互いの傷を癒すように愛し合う二人の姿がステキな作品でした。
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モニター
愛を知り深く傷ついている一人と、愛を知らないで夢を見ている一人。どこまで歩み寄り、許し、進んでいくのかと気になり、一気に読んでしまいました。
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モニター
一番気に入ったのは、家政婦ウラの存在でした。あまり表に感情を出さない人ですが、亡くなった妻に対する罪の意識からもう誰も愛さないと決意していたストーンには、辛らつで厳しいウラ。そんな彼を愛してしまうキャシーには、心温かい思いやりある女性でした。ストーンの複雑で正直な心情がていねいに描写されていた点も、好感触です。
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モニター
出会う前は自分に自信のないヒロインですが、努力して素敵な女性へと変わっていきます。前向きなヒロインに好感がもてますが、ヒーローは過去にとらわれすぎてます。愛されないまま関係を続けるより自立を選んだヒロインは立派です。ヒーローと出会ったことで強くなれたんですね。ヒロインを迎えに来るまで4カ月もかかったヒーロー、煮え切らなくて苦手かも・・・
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モニター
キャシーへの愛を認めないストーンにイライラしました。亡くなった奥さんへの罪悪感と、愛する事への怯えなんでしょうけど、キャシーが嘘をついているのを知っても軽蔑せず、傍に置こうとするなんて、もう特別な存在になってるのにね。妊娠がわかって不安な時に真実を知り、別れる決心をしたキャシーだけど、終わってみれば電話応答代行サービスの夜間オペレーターと億万長者の恋は、うらやましいようなシンデレラストーリーでした。
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モニター
ハーレクイン初心者の皆様、ぜひお読み下さい。シンデレラ物語大人版でしょう。さくっと読めて、ああおもしろかったと、現実のストレスを忘れられます。ハンサムでお金持ちのヒーローが、電話オペレーターと知り合って、愛を知ります。逆にヒロインは、ヒーローのお金と地位を得て、成功の階段を登るわけです。ダイエットも完璧! 才能も開花!
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モニター
キャシーはあのままでよかったのだ、ストーンが彼女の前に現れ、生活のすべてを変えてしまうまでは。ストーンの生活の中にいるうちに自分を見つめなおし、成長していくキャシー。そしてストーンを愛している自分に気づき、報われない愛に苦悩する。キャシーの切ない心にジーンとしました。家政婦のウラはいい味出してます。キャシーの最後の決断に拍手! ストーンは「もっと早く気付けよ」って感じかな。
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モニター
顔の見えない電話でのやりとりで温めた親交が、恋へと変わっていくのと並行して、ヒロインの身体も変化していくのが、心の内を表しているように感じました。ストーンが過去にとらわれすぎて、自分の心を見つめられなくなっていたところは、じれったく感じました。
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モニター
スーザン・マレリーは大好きな作家の1人です。今回はどんなストーリーなのかワクワクして読ませていただきました。作り事という世界で「仮面」をつけて自分を偽って楽しんでいたヒロインが、ある事故をきっかけに本来の自分自身をすべて露呈せざるを得ないことになります。全てを知った上で手助けするヒーローと、そんな彼を愛してしまったヒロインのやりとりがとても印象的な作品です。
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モニター
現代版シンデレラストーリーだと思いました。太目のキャシーが声しか知らないストーンに恋をします。深夜0時に会社にかかるストーンの電話を楽しみにしていたキャシー。会うはずのない二人がキャシーの会社の火事で出会うことになり、そしてストーンがキャシーの面倒を見ることになります。キャシーはウラ達の協力のもと美しく変身し・・・。ストーンはふたたび未来を考えることができるようになる。キャシーを見捨てなかったストーンはすごい。そして、ストーンの考えを変え、チャンスを逃さなかったキャシーもすごいと思いました。
USAトゥデイ紙や大型書店などのベストセラーリストの常連である人気作家。ユーモアがありながら情感に満ちた作品を年に5、6冊執筆するが、それでも頭の中にあるアイデアをすべて作品にする時間がないのが悩みだと言う。南カリフォルニア在住。