久しぶりに読んだハーレクイン・シリーズは今までの私のハーレクインのイメージを変えるものでした。ただのロマンスだけではなく、イギリスの混乱の時代を背景に清教徒と王党員の対立や葛藤、土地の所有を巡る争い・・・。史実に基づいた背景の中でストーリーが展開されていき、「これは、ただのおとぎ話なんかではなく本当にあった事かも・・・」と思いながら読んでいくワクワク感も楽しめる作品でした。

ジャスティンの気を惹こうとするアネリスと、後見人の役目を果たすため、アネリスへの気持ちを抑えようとするジャスティン。2人のやり取りにやきもきします。惹かれているのに素直になれないジャスティンがもどかしいです。ひたすらジャスティンを慕うアネリスの無邪気な小悪魔っぷりが可愛すぎます。愛を育んでいく2人の姿が良く、読みごたえのある作品です。

後見人のヒーローと被後見人のヒロインの設定でとてもおもしろかったです。ひたすら彼を慕うヒロインとつらい過去のため愛を信じられないヒーロー。ライバル女性もとことん意地悪でストーリーを盛り上げます。ドラマチックな展開で目が離せませんでした。

愛人が当たり前にいる時代を描いた作品です。一つ一つ展開されていくので、ゆったりしっかり読みたい方におすすめしたいです。

心に深い傷を持つヒーローと世間知らずで無垢ながら気骨あるヒロインは楽しめました。二人が結婚してからのヒロインはまさに妻の鑑! 頑固なヒーローもメロメロになるのは当たり前でしょうね。

アネリスの衝撃的な一目惚れ、アネリスの美貌に魅了されていくジャスティン。お互いの気持ちに気付かず、2人の立場、プライドが邪魔をし、心が伝わらないもどかしさにこの本を読み進めていく魅力を感じました。特にすべての男性の心を魅了し誘惑されるアネリスに嫉妬し、ヤキモキするジャスティンの姿にドキドキさせられました。愛し合っているのに交わらない愛情、複雑に絡んでくる人間関係、ジャスティンがサタンの印のついた男と言われる意味、この先どうなるのか?　途中で止めることができないくらい夢中にさせてくれました。極上のラブストーリーでした。

ヒロイン・アネリスの後見人はサタンと呼ばれるヒーロー・ジャスティン(セントジョン侯爵)ですが、最初からお互いに惹かれてます。ジャスティンはある理由から心を閉じていて・・。恋愛に不器用な二人とも恋心を隠そうとします。周りにはバレバレですけど・・。題名からすると結婚するはずと読み進めていきましたけど、なかなかそういう風にならなくてヤキモキしました。脇役の人々がとても魅力的に描かれています。最後まで、気を抜くことが出来ないくらい色々なことが起こりますが、一気に読んでしまう作品です。

当時の時代考証に詳しくなかったので、読み始めは爵位や後見人など???と思う点もあったのですが・・・読み進めて行くと、そういう設定の事はどうでもよくなりました。主人公二人のもどかしいほどのプライドの高さと、本音で相手の気持ちに踏み込まないイギリス人っぽい距離感がまどろっこしくて、やきもき。後半アネリスがジャスティンを思う気持ちに気付く部分では、涙が出ました。じっくり、アネリスの気持ちに寄り添って、読みたい作品です。

こころならずも後見人になってしまった侯爵と田舎育ちの清らかなレディの物語。清教徒、王党派など当時の時代背景もこれまでのヒストリカルよりも一歩踏み込んだ内容で、読み応えありました。主人公の侯爵の心の闇や、揺れ動くアネリスの気持ちがよくえがかれていました。いっきに読み終えることができました。おもしろかったです。