ハーレクイン文庫
初恋の人ヒューゴーが11年ぶりに戦地から帰還したと聞き、エマはあまりの喜びにさっそく彼のもとに駆けつけた。彼は、まだおてんばな少女だったころに一目で恋に落ちた相手だ。今や淑女に変身し、社交界の花形となったわたしに驚くかしら?だが、エマはヒューゴーを目にしたとたん凍りついた。彼の顔には痛々しい傷跡が残り、陰鬱な表情は別人のようだ。そしてにこりともせず、よそよそしく挨拶してきた。張り裂けそうな胸の痛みを感じながら、エマは決意した。必ず彼の心を開かせて、昔の笑顔を取り戻してみせるわ。
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- 頁数
- 336頁 / 文庫判
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- 発行日
- 2010年02月01日
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- 著者
- ジョアンナ・メイトランド
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- 訳者
- 井上碧
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- 定価
- 776円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- ISBN
- 978-4-596-93278-5
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- 書籍番号
- HQB-278 (初版HS-207)
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モニター
変わらずおてんば娘の心を持ち続けるエマと、とても優しい心を持つヒューゴーに非常に好感を持ちました。互いの態度や行動を誤解し合い、愛し合っているのに上手くいかない二人を見ていて胸が苦しくなりましたが、最後はとても暖かく幸せな気持ちになりました。
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モニター
初恋の人ヒューゴーと再会し、戦地で体も心も傷ついた彼を何とかして癒そうとするエマ。表裏がなく、明るく率直な彼女にひかれつつ自分の気持ちを閉ざすヒューゴー。二人の切なさ、苦悩が丁寧に描かれていて、二人を取り巻く登場人物もとても魅力的で、最後まで一気に読み進みました。
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モニター
前作「庭園の誓い」と同じく、丁寧に心理が描写されていて、リアリティーのある作品でした。今回のほうが舞台設定が現実的な分、より心理描写に重点がおかれていて、ヒストリカルであることを忘れるほど、きちんとしたロマンス作品だと思います。特に、ヒロインが・・・。戦争で負傷したヒーローに遠慮したり、結婚したのに親と同居したがったり・・・、等身大の女性の姿に共感するところも多々ありました。
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モニター
ちょっと自分本位なところもあるけど前向きなヒロインと、怪我で殻にこもるようになってしまったヒーローが、お互いを想いながらもすれ違う様子をリージェンシー特有の女性の評判や初夜の心得等を上手に絡めて話が展開します。脇の登場人物のバランスも良くて、ドキドキしながら楽しめるお話でした。
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モニター
エマの純真さが社交界慣れした行動と比べると、すごくギャップがあって面白い。昔の人に耳年増なんて少なかったのかしらと思うぐらい。ヒューゴーのエマに対する思いや、エマのヒューゴーに対する思いのすれ違いがじれったいようで、コミカルなようでテンポよく読めました。「庭園の誓い」の登場人物も出てきて、合わせて読むと面白いです。
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モニター
初恋の人と再会したヒロインがヒーローへの気持ちを募らせていく所が切ないです。ヒロインのお転婆な性格と別人のようになってしまったヒーローの苦悩など、色々な出来事ゆえにお互いの気持ちがすれ違ってしまい、こちらまでもどかしい気持ちになりました。2人の気持ちがどうなってしまうのかと最後まで目が離せませんでした。ハラハラ、ドキドキしつつも、読み終えた時は幸せな気持ちになりました。
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モニター
初恋は実らない、といわれるけれど本当は初恋だからこそ実らせたいものですよね。19世紀のイギリス貴族社会の華やかさを背景に繰り広げられる恋愛模様と初恋を成就させようというエマの心意気にドキドキしました。こんな恋がしてみたかったなぁ、なんて思える一冊でした。
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モニター
上品で賢く、そして思いやりのある女性エマ。その反面幼少の頃のお転婆さも忘れず、とても人間味あふれる女性に描かれていると思います。お金持ちで甘やかされて育ったため、また自分の美しさも認識しているので、自分の思い通りにならなかった事はなかった・・・ヒューゴーと再会するまでは。ヒューゴーの前に出るとうまく自分を抑えられなくて混乱するところがとてもかわいいです。そして周りの男性はそんな魅力あふれるエマに惹きつけられないではいられない様子で。ヒーローのヒューゴーもちょっと女心が分かってなくて不器用なところがあるけどエマを大事に想い、とても素敵な男性です。二人はお互いを愛しているのに思い違いですれ違って、読んでいて”早く本当の気持ちを言いなさいよ!!” と言いたくなりました。最後お互いの気持ちが分かってからはほのぼのと読めました。
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モニター
タイトル通りヒロイン『エマ』の結婚のお話です。ただしこの結婚にいたるまでとその後の『エマ』とヒーロー『ヒューゴー』のお互いを思いながらも葛藤して悩む姿が描かれています。細かい内容は読んでいただくとして、気になったことをひとつ。この作品を読んで現代の情報過多がしみじみと感じられました。だって、『エマ』は結婚後、夫婦としての営み(というか男女の営み)ま~たっくわかっていない。周りの経験のある女性がモゴモゴと遠まわしに言っても『エマ』には何のことかさっぱり・・・これってある意味新鮮ですよね。そしていかに『エマ』が世間ずれしていなく初だということがわかりますよね。幼い恋が大人の恋への過程が面白かったです。あと、ヒューゴーのろくでもない(?)弟『キッド』将来が楽しみです。
生まれも育ちもスコットランドだが、成人してからはイングランド及び海外で暮らすことが多い。結婚して子どもが生まれてから童話を書くようになり、それがやがて歴史小説を手がけるきっかけになったという。リージェンシー物を得意とするが、中世の歴史も勉強し続けている。