ハーレクイン文庫
レディの真実
19世紀、称賛のまなざしの中でイザベラは、男爵が注ぐ侮蔑の視線を感じていた。隠さなければ――社交界の禁忌であるこの秘密を。
19世紀のロンドン社交界で、イザベラは異端なレディだった。下層階級と交わるなどタブーとされるなか、身をやつしてまで、恵まれない人々のためにひそかに慈善活動をしていた。先日、アンバーリー卿という名の紳士にその姿を目撃されたが、彼がイザベラに対してとった侮蔑的な態度を考えれば、彼女の正体に気づいていないことは明らかだった。だが、華麗なドレスを身にまとって知人の夜会に出席したとき、イザベラは多くの称賛のまなざしとは別に、鋭い視線を感じた。見るとそこには、アンバーリー卿の疑念に満ちた瞳があった。
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- 頁数
- 344頁 / 文庫判
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- 発行日
- 2008年10月01日
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- 著者
- ジョアンナ・メイトランド
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- 訳者
- 永幡みちこ
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- 定価
- 776円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- ISBN
- 978-4-596-93183-2
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- 書籍番号
- HQB-183 (初版HS-155)
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生まれも育ちもスコットランドだが、成人してからはイングランド及び海外で暮らすことが多い。結婚して子どもが生まれてから童話を書くようになり、それがやがて歴史小説を手がけるきっかけになったという。リージェンシー物を得意とするが、中世の歴史も勉強し続けている。