ハーレクイン文庫
美しく狡猾な姉に虐げられ続け、幸福すらテッサは奪われた。 焦がれていたギリシア人富豪ポールと、姉は婚約したばかりか、 テッサの恋心を「気味が悪い」と嘲笑ったのだ。 骨の髄まで恥辱を味わわされたテッサは、耐えきれずに家を出た。 2年後──帰郷したテッサはあまりに残酷な現実を知らされる。 ポールが火傷を負い失明したというのだ。しかも姉は彼を捨てた。 身代わりでいい。側にいられさえすれば。一途な想いを貫くため、 テッサはいまも姉を待つポールが住む、キプロス島へと向かった。 姉のふりをして。そして……彼の妻になった。
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- 頁数
- 224頁 / 文庫判
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- 発行日
- 2018年12月01日
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- 著者
- アン・ハンプソン
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- 訳者
- 平敦子
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- 定価
- 682円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- 発送予定日
- 2018年11月16日(予定)
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- ISBN
- 978-4-596-93915-9
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- 書籍番号
- HQB-915 (初版R-190)
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ミミっち
とても素敵なキプロスの街並み、食事、美術館やビーチ、エネルギーあふれる美しい自然と街の中でのデート。でも、ポールの気持ちもわかるけど、彼からの仕打ちが酷くてテッサがあまりにもかわいそうで、心が痛みました。良い人ばかりが登場するなか唯一の人でなしの姉がひどい目にあったらいいのに!って思いました。
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なんちゃん373
ヒロインのヒーローを愛する気持ちが一途で冷たくされても忍耐強く尽くす姿がじんと伝わってきて涙、涙でした。古風で芯の強いヒロインの姿が古き良き昔のハーレクインを感じさせます。ハッピーエンドと分かっていてもヒロインの気持ちが伝わったときはよしやったーという気持ちになっていました。初期のハーレクインを愛読している方にはお勧めの一冊です。
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モニター
辛い失恋後、離れた環境で2年過ごしてもテッサがポールに対して吹っ切れていないことが、姉が彼を捨てたことによって浮き彫りになり、さらに彼の置かれた状況にテッサの思いが一層膨らむあたり、彼女の痛々しい一途さに少し引いてしまいました。ポールは失明し、姉に捨てられ、失意のどん底。そんな彼がテッサに対する態度に、読んでる方はハラハラドキドキ。姉のふりをしているテッサに気づいているのか、いないのか、激しいポールの感情に揺さぶられるテッサ。ちょっとサスペンスっぽい感じも受けました。ストーリーの舞台となるキプロス島の描写は、テッサのセリフで美しく語られ、ギリシャ人の気質や慣習なども盛り込まれて、そのあたりも楽しめる作品でした。
元教師。旅行好きで、各地での見聞をとり入れて小説を書きはじめたところ好評を博し、ついに教師を辞め執筆活動に専念することにした。70年代から活躍し、シリーズロマンスの黎明期を支えた作家の一人。