ハーレクイン文庫
5年ぶりに南の島で再会した婚約者には、すでに恋人がいた。 帰るに帰れずテンプルは途方に暮れ、船着き場へと向かうが、 船員に女は断ると言われ、男装して船に乗り込むのだった。 2人用船室に待ち受けていたのは、物憂げな美しい男性リック。 “孔雀宮の主”だと名乗る貴人は、皮肉めいた笑みを浮かべて、 おどおどとした少年姿のテンプルをじっと見つめた── その夜、激しい船酔いに陥ったテンプルは、深い眠りのうちに男装をすべて解かれてしまう。翌朝、怯えるテンプルにリックは、 悠然と微笑んだ。「女の子だって、最初からわかっていたよ」
-
- 頁数
- 224頁 / 文庫判
-
- 発行日
- 2017年08月01日
-
- 訳者
- 安引まゆみ
-
- 定価
- 682円(税込)
-
- ポイント
- 0pt
-
- 発送予定日
- 2017年07月21日(予定)
-
- ISBN
- 978-4-596-93818-3
-
- 書籍番号
- HQB-818 (初版R-32)
-
村崎巴
21世紀に読み継ぎたい、V.ウィンズピアの作品です。孤児で不遇な境遇のヒロインが、現状から逃げ出すべく、男装して船へ。そこに、目に特徴のあるヒーローが…というあたり、同作者の「セニョール・サタン」に激似。ホットな描写はないけれど、上品で優雅です。ジャワの極彩色豊な風景が目に浮かぶような描写は、この季節にぴったり。ヒロインに横恋慕する男性や、その同僚もまた、いい男たちばかり。猛暑日にオススメです。
-
Ai
ヨーロッパから見たアジアを舞台に繰り広げられるロマンス。二人のやり取りが不器用であったり、物語の中の詩的な描写は一読者として本の世界に浸るのに申し分なく、読後感も爽やか。是非、真夏の夜に読んで欲しい。
-
睦生
お互いに恋の傷を負った2人の気持ちが変化していき、さらにお互いに素直になれずで焦らしに焦らされ、クライマックスでようやく結ばれる王道オブ王道。恋敵ありトラブルありですが、ヒロインはヒーローに守られるのでとりあえず安心して読めます。40年近く前に書かれた作品ですが、舞台が舞台なので違和感は無く、むしろそんなに前の作品なのに改めて再版されるだけあるなと思いました。
-
monitor
ハラハラ、ドキドキのこれぞロマンスの王道!!!という小説です。テンプルはなぜ孔雀宮に行き、婚約者の裏切りからどうやって立ち直り、また恋をするのか? 楽しく、ときには息を飲みつつ読みました。
ロマンスの草創期に活躍した英国人作家。第二次大戦中、14歳の頃から労働を強いられ、苦しい生活の中から“現実が厳しければ厳しいほど人は美しい夢を見る”という確信を得て、ロマンス小説を書き始める。32歳で作家デビューを果たし、30余年の作家人生で約70作を上梓。生涯独身を通し、1989年に永眠するも、ロマンスの王道を貫く作風が今もファンに支持されている。