ハーレクイン・シリーズ
ある日、ロザラム公爵グリフィンは馬車で領地へ帰る道中、 突然飛び出してきたネグリジェ姿の娘をはねてしまった。 泥だらけで地面に倒れた彼女は意識を失っていたため、 やむなく公爵邸に連れ帰って介抱することにする。 一方、眠りから覚めた娘はいっさいの記憶がないことに戸惑った。 このたくましくて美しい男性は誰……いいえ、それより私は誰? 「君の名は?」そう尋ねられて答えに窮していると、 公爵と名乗る彼に、美しき女性を意味する“ベラ”と名づけられた。 思わず胸を高鳴らせるベラだったが、鏡を見てすぐに自戒した── こんなみすぼらしい私を、公爵様が本気で美しいと思うはずがないわ!
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- 頁数
- 256頁 / 新書判
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- 発行日
- 2016年06月05日
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- 著者
- キャロル・モーティマー
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- 訳者
- 高橋美友紀
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- 定価
- 906円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- 発送予定日
- 2016年05月21日(予定)
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- ISBN
- 978-4-596-33236-3
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- 書籍番号
- PHS-136
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わかな
精神的に傷ついたヒーローと、暴力で記憶を失い傷つけられたヒロイン。二人が惹かれあいつつも、戸惑いやためらい、誤解や勘違い、そして愛の駆け引きが、まるでジェットコースターのように繰り広げられていきます。表紙の男性が小説のヒーローそのままの姿なので想像が容易で、すんなりと読める手助けになりました。ドイツ語を学んでいるので、巻末コラムの「後見人=Vormund」の説明には膝を打ちました。
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モニター
前半の急激に恋に落ちていく二人の様子にときめき、中盤はすれ違うさまに切なくなり、後半のサスペンスな展開にドキドキし一気に読み進められました。尊大なはずのヒーローが素晴らしいヒロインに自分は値しないと悶々としているところが悩ましくてキュンキュンさせられました。ヒロインも芯が強くて勇敢で素晴らしかったです。巻末の「後見人」コラムは内容が軽やかなのに情報が詰まっていて面白かったです。
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モニター
尊大でいかめしいけれども、優しくこまやかな心遣いのできる公爵と、記憶喪失の女の子。設定だけでも楽しみでした。記憶の謎に挑みながら惹かれあっていくふたり。おかしなことに読み進めるうちに、公爵のイメージが不器用な男の子に、ヒロインがお姉さんのように思えてきました。最後までヒロインに振り回される公爵が良かったです。コラムを読んで後見人はガーディアンなのか、と納得したようなイメージは変わったような…このようなコラムがあると、物語ももっと楽しめますね。
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モニター
記憶喪失ですが、優しく凛としたヒロイン。そして、男前ながら過去にいろいろあり心がねじれたヒーロー。そのヒーローをヒロインが癒していくお話に事件が絡み、ドキドキワクワクし、ヒーローのヒロインへの気遣いにキュンキュンなりました。そして、ヒロインではなく、ヒーローに幸せになって欲しいと思うちょっと珍しい作品でした。
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モニター
最初から最後までヒロインが自分の気持ちに正直で、素直に言葉や態度で示すところに好感が持てました。
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やすは
“ハーレクイン=女性向け恋愛小説と侮るなかれ”という気分になるヒストリカル系。今回は近代とも言える英国摂政期。犯罪に捲き込まれ、記憶喪失になった女性を助けた男性とのロマンスは、推理小説を疑似体験していくような臨場感も! 巻末の解説は、英文学の講義を受けている感覚で楽しいです。
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モニターK
ヒロインがすごい~! 記憶喪失なのに、しかもその前に相当ひどい目に逢っているのに、ヒーローが抱えているトラウマを察し、愛情を持って接する、その心根の美しさ。ちょっと気が強いところも二重丸。ヒーローがヒロインの優しさに癒されていく過程も良かったです。謎解き要素もちょっと入ってて、堪能しました。
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うるら
尊大な公爵とありますが、そんな感じはしませんでした。本当に思慮深く愛情にあふれた孤独な公爵の印象です。とても素敵な人だと感じました。記憶のない女性を助けるなんてそれだけでもこの時代は素晴らしい事だと思います。物語も無理ない展開でよかったのですが、残念なのはヒロイン、ベラことベアが、私の好みのタイプではなかったことです。ヒストリカルではたびたび出てくる表現の「女性の自立」は「我儘&無鉄砲」と紙一重だなと思います。また、巻末に後見人のコラムがありましたがとても興味深かったです。日本との差異も含めて後見人制度をもっとよく知りたいなと思いました。
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ベストロマンス大賞2016年上半期読者の声
「多くのジャンルでロマンスをつむぐ」
謎解きを絡めたような設定が面白く、先が知りたくて一気に読んでしまいました。ヒロインの記憶喪失が大きな事件の鍵! ヒロインの受けた傷、体と心を気遣いながらも、自分の心の傷があるゆえに一歩ひいてしまったり、壁を築いてしまうヒーロー。もどかしさと、せつなさ。優しくしたいのに、つい上から目線のように尊大な口調になってしまうヒーロー。だけど優しくてしなやかな強さをもつヒロインは、ヒーローの優しさに気づいています。事件、謎解き、そしてロマンス。いっぱいつまっていました。(aiai 神奈川県 主婦) -
ベストロマンス大賞2016年上半期読者の声
「ヒーローの心理描写に心動かされる」
とにかくヒーローがステキだったから。尊大というけど全くそんな感じがしなかったし、とても広い心をもった伯爵という感じでした。夫にするならこれくらい寛大な人だといいなと思いました。(埼玉県 専業主婦 ぽららん) -
ベストロマンス大賞2016年上半期読者の声
なつかしの作風でした。(会社員 aoi_stm)
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ベストロマンス大賞2016年上半期読者の声
「王道ロマンスに新しいスパイスで楽しませくれる作家」
尊大な公爵ではなく、過去の経験から自分に自信を無くし幸せではないヒーローに、幸せをもたらすべく現れた、記憶をなくしても物怖じしないヒロインとの出会いが最高です。2人の心の葛藤と、お互いに癒されていく心の内がそのまま表現されているところも良いです。(長崎県 会社員) -
ベストロマンス大賞2016年上半期読者の声
「不器用なヒストリカルヒーローならキャロル・モーティマー!」
公爵様は尊大というより単なる不器用で可愛かったです。〈孤高の公爵シリーズ〉第5弾。シリーズタイトルからしても、爵位のある方は本当に大変です。そして傲慢に、もてたい放題やりたい放題をしつつ、あれほど馬鹿にしていた「愛」に気付く、というか欲しくなる。もともと我慢ということを知らないのにプライドだけはあり、自分で自分を苦しめてるんですね。勿論ヒロインが救ってくれますが。そんなハーレクインらしい孤高な方々の不器用でいじらしいノブレス・オブリージュをご覧あれ!(滋賀県 主婦 megpon) -
ベストロマンス大賞2016年上半期読者の声
「ヒストリカルロマンスとミステリー」
この作者さんのヒストリカルは読みごたえがあって楽しいと思います。尊大だけど実は繊細なヒーローと、性格がよくて外見も魅力的だけど自立心旺盛なヒロインの恋愛がどう進むのかも楽しいです。
ハーレクイン・シリーズでもっとも愛され、人気のある作家の1人。14歳の頃からロマンス小説に傾倒し、アン・メイザーに感銘を受けて作家になることを決意。コンピューター関連の仕事の合間に小説を書くようになり、1978年にみごとデビューを果たす。以来、200冊近い作品を生みだし続け、2015年にはアメリカロマンス作家協会から、その功績を称える功労賞を授与された。エリザベス女王からも目覚ましい活躍を認められている彼女の記念すべき200冊目は、2016年に刊行される予定。