ハーレクイン・シリーズ
アリーは若くして放蕩貴族の花嫁となったが、 義母から跡継ぎの誕生を熱望され、心を病んでしまう。 事故で不能となった夫の子を産むことなど不可能だったから。 療養のためフランスの大叔母のもとへ身を寄せた彼女は、 医師レミー・ド・ブリザと出会う。指輪は置いてきていた。 レミーと激しく惹かれ合い、生きる喜びを見出したのも束の間、 彼に身の上を知られ、激怒され、アリーは追い払われてしまう。 義母は身ごもっていた彼女を責めるどころか、跡継ぎだと喜んだ。 このままでは愛する人の子を奪われる……アリーはある決心をする。
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- 頁数
- 224頁 / 新書判
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- 発行日
- 2016年05月20日
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- 著者
- サラ・クレイヴン
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- 訳者
- 遠藤靖子
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- 定価
- 723円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- 発送予定日
- 2016年05月07日(予定)
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- ISBN
- 978-4-596-13162-1
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- 書籍番号
- R-3162
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モニター
まず何より表紙がエレガントかつクラシックでかえって新鮮に感じました。そして、内容は結構センセーション! はたから見た恵まれた暮らしに反して、抑圧され思考停止直前の追い詰められたヒロインが光を求めるが如く、魅力的なヒーローに心を奪われ、気持ちが開放される様子が、とてもよく描けています。心の弱い彼女が葛藤しつつ、易きに流れる部分と対照的に、真の意味で子どもを守るため、すべてをかけて自分の殻を破る、必死になる、その成長に心打たれました。
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モニター
若くてまだ子供だったために、意に添わぬ結婚をしてしまったヒロイン。見守り導いてくれる人からも、遠ざけられてしまってたんだな、頑張ってと応援しながら読んでいました。騙されたと、ヒーローにスッパリ切り捨てられてしまった時、苦しみながらも現実に向き合おうとして、なかなか変われない。自分の人生を諦めないで、大人になって幸せにならなくちゃ! とやきもきしました。最後は、苦しみが報われたね、これから本当の自分でいられるねと安心しました。
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ありえす
はっきり言って不倫ものです。しかも妊娠、不義の子を産んでしまいます。こんなロマンス小説はあまり類を見ません。ただ、ヒロインの悲惨な結婚を考えるとこれもありなのかな、とも思います。優しく、熱く、素敵なヒーローと出会ったのに、あぁなんで夫がいるのよ! って作者を恨んでしまいそう。でもそんな状況に立ち向かおうとする二人の姿にエールを送りたい。
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ふわみぃ
「この子は愛の証。それとも、・・・」このキャッチコピーを読んだ時、自分はこのヒロインを好きになれないと思いました。それどころかこの物語自体も受け入れられないと。ところが、イギリスでの曇り空のような色の現実から一転、フランスでの回想は鮮やかな水彩画のようで作者のみずみずしい表現力に引き込まれ、気づけばヒロインを応援していました。英仏の地理と今も戦争の遺恨を残す人々がいることを頭に入れて読むと物語がより滑り込んできます。
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モニター
亡き夫と義理の母親はろくでもない典型的な親子ですね。旦那が死んでやっと解放されたのに子供のために義母の干渉にあうなんて私には無理だとか思いながら読みました。まあそんなこと起こらないんですが自分に重ねて読むのも楽しいかなと。
イングランド南西部サウス・デボン生まれ。海辺の家で本に囲まれて育った。グラマースクール卒業後は、地元のジャーナリストとして、フラワーショーから事件まで、あらゆる分野の記事を手がける。ロマンス小説を書き始めたのは1975年から。執筆のほかには、映画、音楽、料理、おいしいレストランの食べ歩きなどに情熱を傾けている。サマセット在住。