ハーレクイン・シリーズ
地中海を渡る途中、 イングランド貴族の令嬢エレナの乗った船が海賊に襲われた。 父を失い、弟と生き別れて、あろうことか彼女はオスマン帝国のハーレムへ売り飛ばされてしまった! ハーレムの主スレイマンは、イングランド貴族を母に持つ男。 異教徒など野蛮だと思っていたエレナから見ても、 彼は知的で洗練された美丈夫だった。 しかし、国へ帰してほしいと懇願するエレナに、 スレイマンは非情にも言い放った。 「決してここからは出られない。おまえは私のものだ」
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- 頁数
- 288頁 / 新書判
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- 発行日
- 2016年05月05日
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- 著者
- アン・ヘリス
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- 訳者
- 沢田純
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- 定価
- 906円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- 発送予定日
- 2016年04月15日(予定)
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- ISBN
- 978-4-596-33235-6
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- 書籍番号
- PHS-135 (初版HS-151)
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モニター
文化が少しずつ融合していく、その先駆けのようなヒーロー・スレイマンとヒロインのエレナ。貴族令嬢が帰国できず、奴隷として売られようとする世界。文化の違いです。スレイマンは西洋文化を吸収し、いいところを国に持ち込もうとしています。知識があり臆することのないエレナとの知的な交流はスレイマンを変え、後宮を変えていきます。丁寧に描かれているので、古いものに固執する人々と受け入れる柔軟性のある人との確執も理解できます。ロマンスもたっぷりで、ヒストリカルの魅力満載。読み応えがありました。
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モニター
知的で気丈なヒロインは知的探求に貪欲でハーレムの様な幽閉生活など耐えられないと、ヒーローに惹かれながらも反発します。そんなヒロインにご執心のヒーローが誤解から嫉妬する場面は胸キュン。ハーレムとか一夫多妻的な話は苦手でしたが、オスマントルコ版大奥の陰謀などもあり面白く読めました。巻末の「ヒストリカルへの招待」を読んでモーツァルト作オペラ「後宮からの誘拐」を観てみたくなりました。
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みきみき
海賊にさらわれ家族と引き離されてしまったヒロインですが、美しいだけでなく持ち前の知性と強さで宗教や文化、慣習の差を乗り越え、ヒーローを愛するようになります。俺様で傲慢なヒーローがヒロインにメロメロになっていくところもいいですね。ヒストリカルには多いリージェンシー物が大好物なのですが、設定が異なるこの作品もストーリーに引き込まれ、あっという間に読んでしまいました。また、巻末エッセイも興味深く読みました。宗教や文化の差はあれど、その社会を作っていくのはやはり人なんだなと考えさせられました。
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モニター
ヒロインは買われた奴隷であったはずなのですが、レディとして育てられた利溌さと知見があり、ヒーローは外見以外のヒロインの魅力に惹かれていきます。少しずつ互いを理解し距離を縮めて行く割に、ロマンスは後半まで引っ張るので、お預け状態のヒーローが読んでいてとても楽しく、ヒストリカルとしてのストーリーも進行するので、ラストまで読み応えがありました。とても良かったです。
イギリスはケンブリッジに住んでいるが、冬のあいだは夫とともにスペインのジブラルタル海峡に面したマラガのリゾート地で過ごすことが多い。青い海の白い波頭を眺めながら、涙あり笑いありの、ロマンチックな恋物語の構想を練るという。