ハーレクイン・シリーズ
1年前に亡くなった夫の喪が明け、公爵未亡人のソフィアは社交界に復帰した。自宅で開いた舞踏会に現れたのは、奔放な伯爵として悪名高いダンテ! 10年前、未婚のわたしにつきまとい、あろうことか唇まで奪った男性がなぜここに? 彼女の心はかき乱された。
子爵のジェラルドは重い気分でウェルボーン館にやってきた。不慮の死を遂げた母親の遺言で、館に住む見知らぬ3人きょうだいの後見人を務めるはめになったのだ。事実を告げて早々に館を立ち去ろうとしたところ、驚くほど美しい長女ジュスティーンが現れ……。
アラビアで父親の仕事を手伝うフランス人のジュリエット。乗っていた船が嵐で沈み、彼女はラシュアール王国の浜辺に流れ着いた。当地の部族に捕らえられ連行されたのは、光り輝く壮麗な宮殿。彼女は王国のプリンス、カリドへの贈り物にされてしまったのだ!
“国王が決めた花嫁に難色を示す皇太子を説得せよ”法外な命令に、公爵のケスターは自邸の図書室でつぶやいた。「愛に基づかない、便宜上の結婚なんて最悪だ」新妻のリネットにそれを聞かれ、彼は青ざめた。実は自分も必要に迫られ、裕福な家の娘を娶ったから。
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- 頁数
- 304頁 / 新書判
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- 発行日
- 2015年05月20日
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- 定価
- 1,284円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- 発送予定日
- 2015年05月07日(予定)
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- ISBN
- 978-4-596-80718-2
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- 書籍番号
- W-18
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じゅんじゅん
『ウェルボーン館の奇跡』と『悩める公爵』が良かったです。どちらもジョージ4世時代の話で本人も脇役として登場しますが(人物の印象はまるで違いますが)、『悩める~』の方はより史実を織り込んでいて歴史の一コマを覗いたような読後感でした。この2つの話は感情移入もしやすく、気持ちのすれ違いも程よくハラハラできて、安心して楽しめると思います。あとの2つの話は、私は展開についていけませんでした。
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モニターX
ヒーローとヒロインの立場や考え方がそれぞれ異なるタイプの違う真実の愛が1冊で2度ならぬ4度美味しいヒストリカル4作品。『放蕩伯爵と白い真珠』は相手を思うがゆえに身を引こうとするソフィアに純粋な愛と情熱で口説くジェームズとの展開が胸に熱い。『ウェルボーン館の奇跡 』は辛い過去の為に冷たい態度でしかいられなかったゲリーがジュスティーンの為に優しく思いやりのあるヒーローへと変わっていく過程に引き込まれた。『シークの愛の奴隷』は寂しい生い立ちの為普通の女性とは違う西洋人のジュリエットとシークであるがゆえ愛とは無縁のカリドが考古学という共通の情熱を介して愛を深めるが、二人の立場や民族の違いに諦めかけるが、どんでん返しに結婚へ持ち込んだ愛を貫くシークの手腕に喝采したい。『悩める公爵 』は夫婦でありながら相手を思っていても周りの思惑に振り回されすれ違ってしまうリネットとケスター。だが少しずつ周囲の雑音を退け誤解をとき愛を告白するケスターが素敵。いずれも短編なのでピンポイントな話だが、しっかりとした構成で楽しく読める。良いストーリーなので話の広がりが欲しくもっと読みたいと思ってしまい物足りなさを感じてしまう。出来れば、出会いやその後の話など作っていただけると嬉しい。
1978年にデビュー以来、実に150作以上の作品を生みだした。14歳の頃からロマンス小説に傾倒し、作家になることを決意。物語を書き進めていくうちに徐々に主導権が登場人物へと移り、いつしか彼らが自由に物語を紡ぎはじめるのだという。
子供時代、日本に住んだ経験を持つ。大学では語学に加え心理学も学び、卒業後はメンタルヘルス・セラピストとしてキャリアを積む。一男一女に恵まれたのち、子供のころ大好きだったロマンス小説の作家をめざし、見事ゴールデン・ハート賞を受賞し華々しくデビュー。ワシントン州在住。
スコットランドに生まれ育つ。グラスゴー大学で法律を学んだが、卒業後は異分野に進み、仕事の傍ら通信制大学で歴史の造詣を深めた。9歳にして詩作コンテストで優勝した才能は、のちに大好きなヒストリカル小説の執筆に発揮され、ミルズ&ブーンからデビュー作が出版された。
イギリスのケント生まれ。幼少期を過ごしたオーストラリアのメルボルン、パプアニューギニアの生活が執筆に興味を抱くきっかけとなった。ニューサウスウェールズ大学では音楽学を専攻し、音楽教師も経験。現在はメルボルンに暮らしている。