商家出身のアメリーは出自のせいで貴族に蔑まれ無視されていた。 そんなある日、悪漢にからまれた彼女は、身を守るために、 権威ある侯爵家の長男ニコラスの名前を思わず口にしてしまう。 社交界で唯一、親切に接してくれる彼と親密な仲だと偽ったところ、 間の悪いことに、ちょうどそこへ当のニコラスが現れた。 まさか本人にこんな恥ずかしい嘘を聞かれてしまうなんて……。 うろたえるアメリーをよそに、意外にも彼はそのまま嘘に乗り、 みごとに悪漢を追い払ってくれるのだった。 だがその直後、ニコラスは救世主から悪魔へと変貌した―― 彼女のある弱みを握っていると言い、強引に婚約を迫ったのだ!