ハーレクイン・シリーズ
暗闇に咲く花
幸運が訪れるはずの五月の朝、闇をまとった男が城に乗り込んできた。
さわやかな朝、水浴びから帰ったエボニーは目を疑った。襲撃だ!血も涙もない略奪者たちが城を奪いに来たのだろうか。夫は数年前に命を落とした。息子まで失うわけにはいかない。激高した若き未亡人は、略奪者たちの指揮官につかみかかった。そして怒りに震えながらも懇願した。「あの子だけは助けて」男は冷たく答えた。「その身を差し出すんだ。取り引き成立だな」なんと冷酷な。エボニーの心は葛藤で引き裂かれた。ところが、暗い真実がさらなる追い打ちをかけた。男は略奪者どころか、国王の命を受けた使節で、城主である義父に反逆罪の疑いをかけていたのだ。
-
- 頁数
- 288頁 / 新書判
-
- 発行日
- 2014年05月20日
-
- 著者
- ジュリエット・ランドン
-
- 訳者
- 名高くらら
-
- 定価
- 946円(税込)
-
- ポイント
- 0pt
-
- ISBN
- 4-596-32235-X
-
- 書籍番号
- HS-235
読者レビュー
-
読者レビューはまだございません。
十四世紀のスコットランドでは、イングランドとの熾烈な争いが続いていました。一方、洪水や飢饉のために物価が高騰し、略奪者が暗躍した時代でもありました。受難のときをたくましく誇り高く生き抜いた女性を描く、ジュリエット・ランドン入魂の作品です。