戸惑う主人公ライラがなかなか本心を伝えることができず、またそれが恋だと認めることができない状況。展開が気になりさくさく読めます。結婚相手のラズが紳士でロマンス好きにはたまりません。政略結婚もこんな結末だと最高です。

シークものはあまり好みではありませんが、この作品は、程良く楽しめました。ヒロインやヒーローの心理描写が細やかだったお陰です。ヒーローの忠実な飼い犬のサルーキ犬の献身的な活躍も、犬好きには堪りませんでした。作者のシークもの以外の作品に興味が湧きました。是非、読んでみたいです。

主人公の年齢が若い為、同じ年齢ぐらいの人が楽しめる内容となっていて比較的若い人向けの作品だと思われる。序盤からラズがたくましく優しく好感が持てた。しかし、日本語訳が少々言い回しが気になる点あった。

ドラマチックなシークものです。過去のトラウマがあるヒロイン。困難な状況でも冷静ですが、素直なので応援したくなります!

自分を殺して、国のために生き方を変えていく、その選択を選ばなくてならないが、それでも自分と向き合い、なにをするべきか、その結果真実の愛に気づき、目覚める。愛など望むべくもない、夜だけの妻が、どんどん変わっていく、その為に人が傷つけたり裏切られたり、ライラは自分の気持ちに正直に生きている。もはや国のためでなく愛の為に、それが国を救える唯一の選択と信じて、それに愛とともに育っていくラブストーリーでよかった。

読後の印象は、「セクシー要素の強い定番のプリンセスストーリー」。ラブシーンが多かったな～(笑)という感じです。実際の回数ではなく、あくまで印象なのですけど。冒頭は細々と色々書かれていてドラマチックに展開していくのですが、初めてのラブシーンが終わった後は物語がどこかに行ってしまい、ヒロインがヒーローの事を考えるたびに欲情している心情は細かく描かれているのに、ストーリーはザクっと進められていくような・・・。ページ数が少なくなり、「え～っ、後が無いけど・・・」とだんだん心配になりつつ、最後の数ページで怒涛の大団円。物語を楽しみたい方よりは、情熱的なシーンを好まれる方が楽しめる作品かと思います。ヒーローの弟と、ヒロインの妹でサイドストーリーが生まれる雰囲気もあり、自分としてはそちらの方が読んでみたいです。