ハーレクイン・シリーズ
一人にさせないで
本当は、彼を忘れてはいなかった。逃れようとしてきた過去に、彼女はおびえた。
ピッパは幸せだった。一週間後には、私は花嫁になる。孤児だった彼女にとって、温かい家庭こそがずっと夢見てきたものだ。婚約者のトムとなら、平凡だけど穏やかな家庭を築けるに違いない。そんなある夜、ピッパとトムが乗っていた車が接触事故を起こし、相手の男の顔を見てピッパは息をのんだ――ランダルだ。ランダルは、四年前、ピッパが勤めていた会社の社長だった。男らしい横顔、力強いグレーの瞳に、ピッパは夢中になった。二人はふとしたことからキスをしたが、ピッパは、それをきっかけにして彼の前から姿を消した。彼には帰るべき家がある。自分だけを愛してくれる人がほしかった。「僕はもう結婚していないよ」再びピッパの前に現れたランダルの言葉に彼女は体が震えた。心の奥にしまっていた苦い思いが、頭をもたげた。
-
- 頁数
- 160頁 / 新書判
-
- 発行日
- 2014年03月05日
-
- 著者
- シャーロット・ラム
-
- 訳者
- 高木晶子
-
- 定価
- 704円(税込)
-
- ポイント
- 0pt
-
- ISBN
- 4-596-11771-3
-
- 書籍番号
- R-1771
読者レビュー
読者レビューはまだございません。