お互いがなかなか一歩を歩みだせないもどかしさと切ない思いが読んでいて何度も涙があふれました。情景を想像させる書き方も素晴らしかったですが、何より二人の熱い思いが読んでいてドッキドキでした。

富豪で避妊を徹底する男性ですらも、好意を抱く女性の懐妊の衝撃は…嫉妬と痛み、意外でした。新たな命を授かりはぐくむ女性のすばらしさ…。そうですよね、やせすぎよりふっくらとして母性にあふれた女性の魅力は最高のものですよね。なんだか命の根源に関わるロマンスで生きる事の気づきを得られました。

異性を愛したことがない二人の主人公。意地を張る主人公グウェンがアレックスのことを心底愛しているのに気付き、自分から身をひくシーンは切なかった。アレックスがグウェンに対する気持ちが愛だと確信し、プロポーズに行くシーンは感動した。

億万長者アレックスは、友人の結婚式で出会った看護師グウェンに心ひかれます。でも、グウェンは恋愛に興味がない様子。しかも困っている人のために尽くしたいという理由で代理出産をするといいます。アレックスは彼女を振り向かせようと懸命になりますが…というロマンスです。結婚に興味のないアレックスが、最愛のグウェンと出会うことで気持ちに変化が生まれ、一方、グウェンも気持ちに変化が生まれる様子がわかり、最高のロマンスです。

結婚に興味のない億万長者アレックスと、恋愛にもお金にも興味のない心優しい看護師グウェンのロマンスです。しかも、グウェンは妊娠しているのですが、その理由を聞き、アレックスは驚きます。でもグウェンを好きだという気持ちは抑えきれず、あれこれとグウェンを誘惑しようとします。はたしてグウェンはアレックスの気持ちにこたえるのか、どきどきしながら読みました。翻訳も読みやすい、最高の恋愛小説だと思います。

ハーレクインを初めて読んだのですが、ロマンチックな文章に最初戸惑い、同時にとても繊細なストーリーに高揚感で体温が上がりました。主人公グウェンとアレックスがなかなか自分の気持ちに素直になれなくて、ちょっともどかしいながらも「どうなるんだろう」と頁をめくる手が止まりませんでした。また機会があれば再読してみたいです。

お互い割り切った関係だったはずなのに、相手のことが忘れられない。いままでの相手とは何か違う。戸惑いながらも惹かれあい、真実の愛に気づくまでの、心の動きに共感が持てました。代理母という設定にはびっくりしましたが、妊娠している女性は美しいなと思えました。

プレイボーイのアレックスと、恋に恵まれないグウェンが、それぞれ本当の気持ちに目覚めていこうとする姿と、その葛藤を背景に2人の恋が時に熱く激しく、時に優しくあたたかく、そして切なく美しく描かれている様子に心を揺さぶられました。私も妊婦という、母としては美しくも女としては不安に思う時期を体験しただけに、「私もこんな風に思われていたい」という思いで、自分を重ねてうっとりしながら、心を熱くして読み入ってしましました。物語を客観的に読みながらも、時には自分の姿をだぶらせて熱い恋をした気持ちです。

グウェンと結婚嫌いの億万長者アレックスの恋の行方がどうなっていくのか、斬新なストーリーと読めない展開にドキドキしながら読みました。グウェンの強さやアレックスの感情の変化。沢山の温かい気持ちが詰め込まれていて、読み終えた時は温かい気持ちになれる作品だと思います。