これほどお互いが相手に対して「してあげたい」という思いやりのあるお話はあまりないのではないでしょうか。ヒロインは恵まれない環境で過ごしながら、相手を受け入れることが出来る魅力的な女性で、ヒーローも王子ですが、王子としても一人の人としても素晴らしいです。お互いが惹かれあわない訳がなく、最後に結ばれるシーンは感動します。

ヒロインが挑んだ過酷な境涯からの脱出がトンデモ展開に…!　人生を懸ける一大事に巻き込まれながらも、ヒーローである王子や王国への心遣いや思いやりある言動行動…ハッピーエンドとわかっていても、あまりにも切なすぎて(泣)。読みながらハートにストレートタッチ!　心に余韻をずっと残しておきたい おススメ作品です☆

伯父家族に家政婦のようにこき使われる生活から逃げだしたメルが迷い込んだのはブラストン王国の王子様・リックの世界。めくるめくようなゴージャスな生活。なぜそこに連れてこられたかをようやく理解したメルは、何とかリックの希望を叶えつつ、自分自身の自由と自立も叶えられる道を選んだ。二人の仲を契約に押しとどめようと、親密そうになる度に雰囲気を軽くしようと努力するのが目に浮かぶようです。また、所々で挟まれるリックの国・ブラストン名産のトリュフを使った料理の描写に、お腹が鳴り出しそうでした。リックの兄弟達の全員のお話も、ぜひ読んでみたいですね。

使用人同然のメルが王子の結婚相手になるところが、シンデレラの様でときめきました。リックとの恋がどうなるかどきどきしながらあっと言う間に読んでしまいました。

人違いからブラストンの王子と契約結婚することになったヒロインの運命は…。メラニーは、リックの国を思う気持ちに心を打たれ、そのやさしさから迷うことなく結婚に同意します。愛のない結婚のはずが真実の愛にたどりついたとき…2人の気持ちの変化していく過程の描かれ方が良かったです。

ヒーロー・ヒロインの性格がよく、気持ち良く読めました。ただ何度も私なんて、僕では…と言うようなフレーズが出て来たところは、ちょっと食傷気味でした。トリュフの話題は、新鮮で面白かったです。プリンスのペット(?)が豚なのも良かったです。彼女との触れ合いシーンがもっとあれば良かったのに、と思いました。