ハーレクイン・シリーズ
伯爵令嬢の受難
華麗なる紳士たち:伝説の行方 Ⅲ
彼と踊ったワルツが、人生で最後のダンスだったなんて。
もう二度と元の自分には、元の姿には戻れない。ヘレナ・ライハートは重度の火傷を負った手と腕、複雑骨折をした足首、移植のために皮膚がひきつれた腿を見て思った。ヨーロッパの小国の伯爵令嬢で、パパラッチの格好の標的になるほどの美貌の持ち主だった彼女は、飛行機の緊急着陸事故で大怪我を負った。もっと重傷の人だっているのだ。これくらいで自分を哀れんではだめ。自己憐憫にひたる自分を嫌悪したが、心の傷は深かった。もう誰も私を美しいとは思わないわ。マット・ウォーカーだって……。ヘレナは事故の前にパーティで一緒に踊った長身でハンサムな牧場主を思い浮かべた。マットは事故のあと、お見舞いにも来てくれなかった……。痛む心と思うように動かない体を抱え、彼女は人知れず涙を流した。
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- 頁数
- 160頁 / 新書判
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- 発行日
- 2002年03月05日
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- 著者
- シンディ・ジェラード
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- 訳者
- 麻生りえ
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- 定価
- 671円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- ISBN
- 4-596-50929-8
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- 書籍番号
- D-929
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- ミニシリーズ
- 華麗なる紳士たち:伝説の行方
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