ハーレクイン・シリーズ

公爵と銀の奴隷
指が震えたのは、あの尊大なまなざしのせい。
ロザリーは、ポルトガル沖の島ヴォース・ド・マールへやってきた。島の領主ドゥアルテ・アルド公爵の娘の家庭教師として、小宮殿と呼ばれる屋敷に住み込みで働くためだ。初めて会った公爵は見上げるほど背が高く、威圧的で、6年前に悲劇的な事故で妻を亡くしたということだった。ロザリーは、彼の謎めいた目に見つめられるのが苦手だった。なぜか落ち着かない気分になり、つい生意気なことを言ってしまう。馴染みのない感情をもてあまし、ロザリーはひとりピアノを弾いた。夕闇の中、公爵がじっと耳を傾けていることに気づいたとき、彼が言った。「誰か、愛する男を思って弾いていたのだろう?」
-
- 頁数
- 160頁 / 新書判
-
- 発行日
- 2013年05月05日
-
- 著者
- ヴァイオレット・ウィンズピア
-
- 訳者
- 堺谷ますみ
-
- 定価
- 723円(税込)
-
- ISBN
- 978-4-596-22274-9
-
- 書籍番号
- I-2274
ロマンスの草創期に活躍した英国人作家。第二次大戦中、14歳の頃から労働を強いられ、苦しい生活の中で“現実が厳しければ厳しいほど人は美しい夢を見る”という確信を得て、ロマンス小説を書き始める。32歳で作家デビューを果たし、30余年の作家人生で約70作を上梓。生涯独身を通し、1989年に永眠するも、ロマンスの王道を貫く作風が今も読者に支持されている。