ハーレクイン・シリーズ
ロザリーは、ポルトガル沖の島ヴォース・ド・マールへやってきた。島の領主ドゥアルテ・アルド公爵の娘の家庭教師として、小宮殿と呼ばれる屋敷に住み込みで働くためだ。初めて会った公爵は見上げるほど背が高く、威圧的で、6年前に悲劇的な事故で妻を亡くしたということだった。ロザリーは、彼の謎めいた目に見つめられるのが苦手だった。なぜか落ち着かない気分になり、つい生意気なことを言ってしまう。馴染みのない感情をもてあまし、ロザリーはひとりピアノを弾いた。夕闇の中、公爵がじっと耳を傾けていることに気づいたとき、彼が言った。「誰か、愛する男を思って弾いていたのだろう?」
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- 頁数
- 160頁 / 新書判
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- 発行日
- 2013年05月05日
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- 訳者
- 堺谷ますみ
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- 定価
- 723円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- 発送予定日
- 2013年04月18日(予定)
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- ISBN
- 978-4-596-22274-9
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- 書籍番号
- I-2274
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モニター
読み始めはプリンセスストーリーかしら…と思いましたが、主人公のロザリーがとっても魅力的で、読者の私がどんどん惹かれていきました。真っ直ぐで行動的。読んでいてもとても気持ちがいい。若さゆえの大胆さや、その裏腹に臆病さなどは少々うらやましく、ほほえましいくらいでした。ピアノ演奏の場面は美しい音楽が聞こえてくるようでした。
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モニター
これまで鋼の自制心で厳格に過ごしてきたであろう「大人」のヒーローが、才能にあふれ自己主張する「若い」ヒロインに振り回されている様子が小気味よかったです。言葉のやり取りや駆け引きの一つ一つが丁寧に書かれていて、よくある短絡的なベットシーンなどよりドキドキしました。
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モニター
年の差や、環境の違いなどで、お互いの気持ちがなかなか通じず、すれ違っても、お互いの心は惹かれあっていて読んでいてハッピーエンドであって欲しいと願わずにいられませんでした。
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モニター
雇用関係は、たいてい誰か1人の意思が強く反映するものだと思う。でも、この作品では最初からずっと公爵とおばである女主人がそれぞれの主張を主人公に働きかけ真正面からぶつかり、主人公がどうなることかとはらはらさせられました。登場人物は少ないながら、最後までどうなるかわからない、ハラハラさせられる作品です。
ロマンスの草創期に活躍した英国人作家。第二次大戦中、14歳の頃から労働を強いられ、苦しい生活の中で“現実が厳しければ厳しいほど人は美しい夢を見る”という確信を得て、ロマンス小説を書き始める。32歳で作家デビューを果たし、30余年の作家人生で約70作を上梓。生涯独身を通し、1989年に永眠するも、ロマンスの王道を貫く作風が今も読者に支持されている。