ハーレクイン・シリーズ
亡くなった祖父母の遺灰を故郷のシチリアの教会に埋葬する――ルイーズにとって、それはどうしてもかなえてあげたい願いだった。でもまさか司祭ではなく、シーザーに会うことになるとは思わなかった。彼は地元で権威を誇る公爵家の当主。埋葬には彼の許可がいるというのだ。教会でシーザーを前に、ルイーズは思わず逃げだしたくなった。10年ぶりの再会だった。彼には今、大人の風格と厳しさが備わっている。18歳のわたしが一夜をともにした、若き日のシーザーではない。彼はルイーズの申し出を聞いたあと、また会う約束をしながら、すべてを見通したような陰りのある目で、去り際に言った。「きみとはまだ話しあうべきことがありそうだ」 【ベスト作品コンテスト2012年下半期 第8位入賞作】
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- 頁数
- 160頁 / 新書判
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- 発行日
- 2012年12月20日
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- 著者
- ペニー・ジョーダン
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- 訳者
- 霜月桂
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- 定価
- 723円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- 発送予定日
- 2012年12月07日(予定)
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- ISBN
- 978-4-596-12808-9
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- 書籍番号
- R-2808
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モニター
父からの愛情が少しでも欲しくて無茶をしていた18歳の頃のヒロインを、10年後に再会したヒーローが紆余曲折を経て彼女への理解と再びの愛を贈り続ける姿が、まどろっこしくも格好良く描かれています。彼の置かれた立場と彼女の置かれた立場、二人がそれを少しずつ克服して愛情を深めていくのは、読んでいて気持ちが良かったです。
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モニター
大御所の遺作という事で特別な想いで読みました。二人が再度結ばれるまでの紆余曲折のストーリーが、病魔と闘いながら書いていた作者自身とオーバーラップしているように感じました。若さゆえの過ちで別の道を進んだ二人が、10年を経て互いに成長し認め合い、共に人生を歩んでいくプロセスにジーンときました。
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モニター
18歳のルイーズはシーザーと激しい一夜を過ごしたが、シーザーに裏切られルイーズは子供を身ごもり、シングルマザーとなる。10年後に再会する二人。お互いまだ相手に熱い感情を持っているのになかなか認めません。最後に二人の気持ちが重なり、愛し合うシーンはとても良かったです。物語に引き込まれ、涙しながらも一気に読みました。さすがペニー・ジョーダンさんの作品だと思いました。もうペニー・ジョーダンさんの新作が読めないのは大変寂しいです。
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モニター
ヒロインはヒーローと10年ぶりの再会を果たします。お互い素直になれないのが読んでてもどかしかったです。本当にハッピーエンドはくるのだろうか?と思いながら読んでいました。エピローグは読んでてほのぼのできました。
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モニター
ペニー・ジョーダンの遺作。ヒロインのルイーズの不幸な家族関係に端を発した物語は、ルイーズと父親、息子、祖父母との関係など、恋愛部分よりも家族がテーマの作品だと思いました。ルイーズがヒーローのシーザーと再会するところから、ルイーズと家族との全ての糸が繋がり、そして再構築されていく。シチリアの独特な慣習は、日本に通じるところがあり、違和感なく理解ができました。とにかく、読後の清涼感と満足感はすごい。
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モニター
二人の主人公の心理描写が中心です。このお話は恋愛というより、家族のストーリーです。父と娘、彼と彼女、彼女とその息子など、いろんな形の「純愛」が引き起こした、過去や今の問題に必死に向き合う主人公にはとても共感できました。もちろん恋愛も最初っから気持ちが盛り上がっちゃってますのでそこも楽しめると思います。なかなか読みごたえがある作品でした。
1946年にイギリスのランカシャーに生まれ、10代で引っ越したチェシャーに生涯暮らした。学校を卒業して銀行に勤めていた頃に夫からタイプライターを贈られ、執筆をスタート。以前から大ファンだったハーレクインに原稿を送ったところ、1作目にして編集者の目に留まり、デビューが決まったという天性の作家だった。2011年12月、がんのため65歳の若さで生涯を閉じる。晩年は病にあっても果敢に執筆を続け、同年10月に書き上げた本作『純愛の城』が遺作となった。