ハーレクイン・シリーズ
汚れた顔の天使
捨て子のプルーデンス、十七歳。母を探して南へと旅立った。
一七八九年九月、冷たい雨の降りしきる中、プルーデンスは十二歳の少年ダンとともに南めざして歩いていた。人使いの荒い北部の紡績工場から逃げてきて、今日で三日。ゆうべはもう少しで農夫に襲われるところだった。そこで、途中見かけた案山子の服を拝借し、腰まであった髪も切った。ウェントワース卿に初めて会ったとき、彼女は薄汚れた少年のなりをして、馬小屋のにおいを漂わせていた。豪華な馬車で南部ケント州の館に向かっていた彼は、プルーデンスとダンを宿屋に連れていき、食事と衣服を与え、さらに、一緒に南へ乗せていってあげると申し出た。この人はわたしが女と知っても紳士的な態度を崩さず、むしろ貴婦人に対するように接してくれる。わたしを産んで捨てた母を探すためにも、一日でも早く南に行きたい。プルーデンスはウェントワース卿の申し出に従った。
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- 頁数
- 288頁 / 新書判
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- 発行日
- 2000年09月05日
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- 著者
- メグ・アレクサンダー
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- 訳者
- 江田さだえ
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- 定価
- 770円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- ISBN
- 4-8335-4670-1
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- 書籍番号
- HS-71
読者レビュー
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生まれて間もなく捨てられたプルーデンス。産着に留めてあった紋章入りのブローチを手に、自分の出生を探る旅に出ます。果たして彼女の親は誰なのか、そしてウェントワース卿に抱く身分違いの恋の行方は……? 期待の作家が描く究極のシンデレラ・ストーリー!