ハーレクイン・シリーズ
ブラックストーン伯爵ドミニク・ヴォーンは、最近賭で手に入れたばかりの賭博クラブに顔を出して目を疑った。雇った覚えのない仮面の歌姫が舞台で甘い歌声を響かせていたのだ。女などトラブルの元になるだけだと心得ているドミニクは、彼女を追い出すつもりで控え室を訪れた。そこにいたのは息をのむほど美しい、金髪の可憐な乙女。しかもその洗練された所作はあきらかに良家の子女のものだ。取り巻く男たちの好色な視線にも気づかずに、危険に身をさらしている彼女をなぜか放っておけず、ドミニクは忠告を与えた。無防備な唇を口づけで封じて。
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- 頁数
- 256頁 / 新書判
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- 発行日
- 2012年10月05日
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- 著者
- キャロル・モーティマー
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- 訳者
- 古沢絵里
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- 定価
- 901円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- 発送予定日
- 2012年09月21日(予定)
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- ISBN
- 978-4-596-33148-9
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- 書籍番号
- PHS-48
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モニター
伯爵、賭博クラブ、仮面の歌姫、プロローグからして読む者をお洒落な夢の世界へ誘ってくれる本作。流石人気作家キャロル・モーティマーの作品だけあって、描写、エピソードに次はどうなるの!?……と息つく暇を与えない大変面白いストーリーに仕上がっていると思いました。カロとドミニクの恋のゆくえ、互いに反発しながらも惹かれていく様はもう圧巻です。ただ、ままごとのような夢物語ではなく、大人なテイスト感があるので真実味があり、読んでいるうちに幾つの方でも自分が等身大のヒロインになってしまっていることでしょう。そして、読んだ後もこの素敵な恋の物語にしばらく浸ってしまう、余韻感がたまらない作品でもありました。
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モニター
二十歳のカロと年上の伯爵のキツい冗談を交えながらの恋愛に引き込まれちゃいました。私もカロのような美貌があったなら……なんて思いながら自分とカロを重ねて読みました。ああ、私も燃えるような恋がしたい!
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モニター
本来なら決してこのように出会わなかったであろうドミニクとカロ。二人が運命の赤い糸で結ばれていたなら、きっと細くて長いけれども、強い糸で結ばれていたような気がします。カロの行動力に振り回されながら、いつしか心惹かれるドミニク。二人の愛に最後までハラハラドキドキです。
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モニター
美しく謎に包まれた女性に翻弄されるドミニクと、傲慢で頑固だが素敵な雇い主に胸が高鳴ってしまうカロ。二人の間にさまざまな問題が持ち上がり、そのたびに少しずつ距離が近づくけれど、お互いの頑固なところと嫉妬から、なかなか距離が縮まらない。二人の微妙な心の動きに、事件が巧みに織り交ぜられ、分厚い作品ながらも、一気に読ませてしまう内容です。他の姉妹の作品もこれから出るようなので、そちらも絶対に読んでみる価値があるのではないかと思わせる第一弾だと思います。
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モニター
初めてハーレクインを読みました。舞台がヨーロッパなので、当然カタカナのお名前。最初はなかなか入り込めませんでしたが、中盤まで読み進むころには、頭の中でイメージ化されたキャストが動いていました。言葉がとてもきれいで、読みながら日頃の言葉遣いを改めると私も変わるのでは……と思いました。活動的な主人公に惹かれていく彼。うまく絡み合わない二人の思いに、ハラハラ・ドキドキさせられました。
ハーレクイン・シリーズでもっとも愛され、人気のある作家の1人。3人兄妹の末っ子としてベッドフォードシャーの小村で育つ。14歳の頃からロマンス小説に傾倒し、アン・メイザーに感銘を受けて作家になることを決意。コンピューター関連の仕事の合間に小説を書くようになり、1978年、みごとデビューを果たした。物語を作るときにいちばん楽しいのは、ヒロインとヒーローの性格を考えるとき。書いているうちに徐々に主導権が移り、いつのまにか彼らが物語を語りはじめるのだという。