両親を相次いで亡くし、孤児になったティシュは、裕福なカリー家の養女となり、何不自由なく育った。なかでも長男のラッセルとは、15歳の年の差など感じないほど仲良しだった――そう、1年前に帰省した夏のあの日までは。ラッセルは、一糸まとわぬ姿でいたティシュに歩み寄ると、彼女をあばずれだとののしりながら、乱暴な口づけをした。傷ついたティシュは、すぐに荷物をまとめてカリー家を出ると、二度と帰郷しないと固く心に誓ったのだった。ところがラッセルが突然迎えにきて、家に戻ってこいと言う。戸惑うティシュに、彼は刺々しい言葉と、激しいキスを浴びせた。