ローラは、サンタバーバラから遥々サンディエゴまでやってきた。友人から、兄のジェフを助けてあげてほしいと依頼されたためだ。ある人の遺言で、ジェフが子供の後見人に指名されていて、彼はそのことをまったく知らされていなかったという。八年前婚約者を亡くし、結婚も子供を持つ夢も捨てたローラは、再び同じ悲嘆に暮れることのないよう男性を締め出し、恋愛とはほど遠い生活を送ってきた。本当に、この男性の部屋に住み込むつもり?ジェフの住まいのドアの前にたたずみ、ローラは自問した。そうよ。子供好きな私にとって、この仕事は天からの贈り物。やがてドアが開き、相手を見たローラは、はっと息をのんだ。整った顔立ち、人を引きつけずにはおかない雰囲気。一目で惹かれるなんて……あってはいけないことなのに!