ハーレクイン・シリーズ
ひそやかな誓い
朽ちかけた礼拝堂の中、メアリーはニックの指から滴る血で署名した。
「わが魂より大事な人」そう言い残して彼は戦場へと発った。メアリーは牧師の娘、ニックはかのヴェイル公爵の息子。ほんの一瞬でも彼が結婚を望み、たとえ正式でなくとも書類に署名してくれただけでメアリーは幸せだった---その一度だけの逢瀬で新たな生命が宿るまでは。いや、その子のおかげで、この七年を生きてきたのだと言える。あのあと無事帰還したニックからは、なんの連絡もない。家庭教師として付き添うことを条件に息子リチャードをトレーウィック家に養子に出したのも、選択の余地がなかったからだ。しかしトレーウィックの妻の死後、平穏な日々は一変した。メアリーは結婚を迫られたばかりか、彼に寝込みを襲われた。そして捨て身の反撃に出た結果、裁判沙汰になったのだ。法廷に立つ彼女を救ったのは、公爵の称号を継いだニックだった。彼は古い書類を手にメアリーを指してこう呼んだ---”公爵夫人”と。
-
- 頁数
- 288頁 / 新書判
-
- 発行日
- 2000年12月05日
-
- 著者
- ゲイル・ウィルソン
-
- 訳者
- 上木さよ子
-
- 定価
- 946円(税込)
-
- ポイント
- 0pt
-
- ISBN
- 4-596-00543-5
-
- 書籍番号
- HS-102
読者レビュー
読者レビューはまだございません。