ハーレクイン・シリーズ
キャスリンは風の吹きすさぶ崖の上で水平線に目を凝らした。10年前のあの日、わたしがあんなことを言い出さなければ、愛しいディコンが海賊にさらわれることはなかったのに……。わが家に戻ると、思いがけない知らせがキャスリンを待っていた。ディコンの行方をさがすため、彼の父親とおばとともに、ヴェネチアに向かうことになったのだ。長い船旅の末にヴェネチアにたどり着いたあと、一行は大商人ロレンツォ・サントリーニに協力を求めるべく、運河に面してそびえ立つ壮麗な館を訪ねた。莫大な富を持つ館の主の冷酷な顔を見て、キャスリンは愕然とする。彼がディコンとまったく同じ珍しい瞳の色をしていたからだ。
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- 頁数
- 256頁 / 新書判
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- 発行日
- 2012年05月05日
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- 著者
- アン・ヘリス
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- 訳者
- 石川園枝
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- 定価
- 901円(税込)
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- ポイント
- 0pt
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- 発送予定日
- 2012年04月20日(予定)
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- ISBN
- 978-4-596-33138-0
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- 書籍番号
- PHS-38
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モニター
「まずは読んでみて!」という作品です。10年前にさらわれたディコン。幼いながらに真剣にディコンを愛していたキャスリン。ディコン以外に愛する人はいないと思っていたのに、彼と同じ瞳を持つロレンツォに惹かれていくキャスリン。キャスリンの悲しみとロレンツォに対する想い。過去に傷を負ったロレンツォ。二人が幸せになるまで、いくつもの困難が立ちはだかります。二人が無事に幸せになれるのか、あなた自身の目で確かめてみて下さい!!
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モニター
ヒストリカルは初めて読みましたが、すごく面白かったです! 16世紀ごろの地中海を舞台にしたお話ですが、現実から離れ、すぐに物語の世界にのめりこめました。まるでロードムービーのように主人公キャスリンはさまざまな場所を旅して、危険に満ちた体験をしていきます。その過程でヒーローとの愛を深めていくのですが、も~、いろんな出来事が巻き起こって、どうなる? どうなる? と一気に読んでしまいました。とても楽しめる素敵な物語でした。
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モニター
ヒロインが9歳だった頃、キャスリンだけを愛すると誓って、手首にイニシャルを刻んだ15歳のヒーロー、ディコン。これだけでもストーリーの壮大さが伝わってきます。10年前に海賊にさらわれて以来、彼は消息不明に。そんな絶望的な状況のなか、舞台がイギリスから地中海へと変わっても「ディコンは生きている」と信じるヒロインも、誘拐や嵐という予想もしなかった事態に巻き込まれ……。もちろんハッピーエンドになるんですが、この時代ならではのびっくり箱みたいな日々の中で、愛の強さを知り、自分の弱さを知り、そして恐れを知ります。過酷な状況にも消えることのない、「運命」というより「宿命」というのがぴったりの二人のロマンスでした。
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モニター
世界史の中に入り込んだような、ゆったりとした時間の流れを感じながら読み始めたが、現代とは違い情報量が少ない中で、二人の間に次々と持ち上がる事件にとてもハラハラさせられた。また「初恋は実らない」のジンクスが頭をよぎった。緩みかけては頑なになる気持ち、一途に相手を想う気持ち、人を愛することと憎むこと、果たしてどちらが勝るのか、二人の恋の行方がどうなるか終始目が離せず、一気に読み進めてしまった。
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モニター
ロマンスのほかに、誘拐されたり、命を狙われたり盛りだくさん! 行方不明の初恋の人を探していることも忘れそうなほどでした。感情を読むのが好きな者としては、好みとは外れていたけれど、手や瞳がポイントとなっているところが素敵でした。読み込めば気付いていない細かいポイントがまだありそう。
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モニター
何年も離れていた二人……。成長してもお互いに心はいつまでも繋がっていたんだ。何を起こすかわかりませんね……。最後の最後までいろいろあり読み応えがありました。
イギリスのケンブリッジに住んでいるが、冬のあいだは夫とともにスペインのジブラルタル海峡に面したマラガのリゾート地で過ごすことが多い。青い海の白い波頭を眺めながら、涙あり笑いありの、ロマンチックな恋物語の構想を練るという。