ハーレクイン・シリーズ
伯母の遺品整理のため、フィリッパは久々にガーストン邸を訪れた。ガーストン家の家庭教師だった伯母にここで育てられた彼女は、11年前、大学生だった当主の孫スコットと熱烈な恋に落ちた。だがある時、他に好きな人がいると言って自分から身を引いた――彼が大事な館を継ぐには、それしか方法がなかったのだ。お腹に命が宿っているのを知ったのは、そのあとのこと……。彼女の物思いを破るように、とつぜん車の音が響いた。外を見ると、へこんだ高級車と息子のサイモン、そしてスコットの姿がある! なんとサイモンが、誤ってスコットの車を傷つけたという。スコットは容赦なく彼女を罵り、ある方法で償うよう求めてきた。
-
- 頁数
- 160頁 / 新書判
-
- 発行日
- 2012年05月20日
-
- 著者
- ペニー・ジョーダン
-
- 訳者
- 高木とし
-
- 定価
- 723円(税込)
-
- ポイント
- 0pt
-
- 発送予定日
- 2012年05月10日(予定)
-
- ISBN
- 978-4-596-42020-6
-
- 書籍番号
- PB-120 (初版R-459)
-
モニター
初版が1986年とは思えないほどの新鮮さ。一度読んだ作品でしたが、今回もすぐに作品にどっぷりはまり、早く気づいてよとやきもきしながら楽しみました。息子のサイモンの率直さが物語にテンポを与え、ヒロインが言った「人は見たいものしか見ない」という恋につきものの思い込みが歯がゆいエッセンスとなり、ラストは満足感で一杯になる作品です。もう新作を書いてもらえないのが本当に残念。感謝と共に心からご冥福を。
-
モニター
愛するあまり憎んでしまう。でも本当には憎みきれない。そんな心の葛藤が切ないです。とてもドラマティックなストーリー。
-
モニター
2011年12月に癌でこの世を去られたペニー・ジョーダン初期の作品。とはいえ、今読んでも読み応え充分。コインの表裏の様に愛と憎しみは背中合わせ。彼を思ってした事が10年の歳月を経て、自分と息子に跳ね返ってくるとは……。父親を慕いながらも、母親の事も大切にする、物語の大詰めで息子が父親に向かって発した言葉に、世の母親は「この子を育ててきて良かった」と思わずにはいられないでしょう。HQの世界は勿論ハッピーエンドで終わりますが、そこに辿りつくまでの緊張感。存分に楽しめる作品です。
-
モニター
官能的で、ロマンチック! 結末を予想しながらも、ジェットコースターが上っていくように、ずっとドキドキが止まらないどころか、どんどんドキドキが高まっていきます。こんなことある!? と思いながら、男性の強引なところも、意固地なところも、不器用な表現も、ヒロインの気持ちになって、惹かれてしまいました。途中でやめることができず、一気に読み終えてしまい、ちょっと寂しくなるぐらいはまりました。
-
モニター
11年前、ヒーローのために自分が悪女になってつらい別れを選択をしたのに、それが思ったような結果にならず、再会後は、何かにつけてヒーローに嫌な思いをさせられても耐えるヒロインの苦しみがよく描かれていました。切なかったです。執拗なヒーローの嫌味も、11年間とっても深くヒロインを愛していたことの裏返しと思えば、許せます。欲を言えば、ずっと復讐に燃える男だったヒーローが愛を取り戻して、幸せに変化した姿を見たかったな。
-
モニター
30年近く前の初期のペニー・ジョーダンの作品のようですが、今読んでも新鮮で面白かったです。ヒロインのフィリッパとヒーローのスコットは、お互いに不幸な生い立ち。やっとめぐり逢えたパートナーでしたが、大人の邪魔が入り、若さ故に相手を思いやって身を引き、11年の歳月が過ぎていきました。11年後の再会……いろいろな誤解、10歳の息子。フィリッパの思いやり、スコットの思い違いにはらはらしながら一気に読みました。
-
モニター
息子が絡んでくるお話ってなんだか興奮します。私だけかな(笑)? 昨年亡くなったペニー・ジョーダンの作品ということですが、この機会にすべて読んでみたいな、と思いました。もうこの作家に新作を書いてもらえないのかと思うと残念です。
-
モニター
王道の設定ではありますが、一気に引き込まれて読み切ってしまいました。ヒロインとヒーローの相手を思う愛情の深さがヒロインの芯の強さとある誤解のためにここまで見事に相手に伝わらないものかと思いながらも、次の展開が気になってどんどん読み進めてしまいます。ただ今まで読んだ数少ない他の作品と違い、今回はセクシャルな表現が多かった気がします。のんびり、ほのぼののハッピーエンドが好みの方にはやや向かないかもしれません。
1946年にイギリスのランカシャーに生まれ、10代で引っ越したチェシャーに生涯暮らした。学校を卒業して銀行に勤めていた頃に夫からタイプライターを贈られ、執筆をスタート。以前から大ファンだったハーレクインに原稿を送ったところ、1作目にして編集者の目に留まり、デビューが決まったという天性の作家だった。2011年12月、がんのため65歳の若さで生涯を閉じる。晩年は病にあっても果敢に執筆を続け、同年10月に書き上げた『A Secret Disgrace』が遺作となった。